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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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答えを。



親父が死んだ。自殺だった。俺は安藤直樹。親父が残したパソコンのなかにいるのは裕子。
いや違う、あれは単なるプログラムにすぎない。でもプログラムに意識が宿ったのならば…。
いったい彼女は何者なんだ!
徹底した方法意識に貫かれたテクストが読者を挑発する、第五回メフィスト賞に輝くデビュー作。

***

著者が19歳(当時)と若いためか、
「自分はこんなことを知ってるんだぞ」みたいな
音楽や絵画や心理学の(誰でも知ってるような)講釈が頻発したり
読んでるこっちが恥ずかしくなるような中二病的表現や台詞が炸裂したりと
とかく初めは読みづらいのですが(文章も下手ではないけどややくどいし)、
読んでるうちにハマりだし中盤から一気に読書スピードが加速。
クライマックスでは快感に似た戦慄に震え、
ラスト一行に心地いい寒気を覚えながら楽しく読み終えることができた。

発表から10年経った今読んでもそこまで違和感のないパソコン描写は
なかなかのもの。
更に本書は本格推理に対するアンチテーゼでもあり、
一時期本格ものばかり読んでいた身としては
「確かに被害者・加害者サイドからすると名探偵って微妙だよなあ。。。」と
改めて思い知らされてしまった。
御手洗潔が人気あるのは名探偵にしちゃ人情があるからなんだよなー。。。

ページ数はそれなりですがおすすめ。
まさにメフィスト賞の真骨頂ともいえる物語です。

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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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