「我が手にハッピーエンドを――いささかご都合主義的でも!」
私はなるべく彼女の目にとまるよう心がけてきた。
吉田神社で、出町柳駅で、百万遍交差点で、銀閣寺で、哲学の道で、「偶然の」出逢いは頻発した。
我ながらあからさまに怪しいのである。そんなにあらゆる街角に、俺が立っているはずがない。
「ま、たまたま通りかかったもんだから」という台詞を喉から血が出るほど繰り返す私に、
彼女は天真爛漫な笑みをもって応え続けた。「あ! 先輩、奇遇ですねえ!」……
「黒髪の乙女」に片想いしてしまった「先輩」。
二人を待ち受けるのは、奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々、そして運命の大転回だった。
天然キャラ女子に萌える男子の純情! キュートで奇抜な恋愛小説in京都。
***
いたって地味なエピソードも独特の文体と圧倒的な表現力で臨場感たっぷりに面白く読ませる、
逆に「そりゃないだろ」というファンタジーな展開もリアリティ溢れる描写で違和感なく読ませてしまう、
この著者は本当に〝書ける〟人だなあと思う。20代にして直木賞候補に挙がるだけはあるなー。
ヒロインの性格は一歩間違えればぶりっ子だし(「オモチロイ」とか普通に言うし)、
ヒーローの性格も一歩間違えれば(いや、間違えなくても相当)自己中野郎なのに、
それを崩す魅力的な個性で気づくと好意を持っている。「がんばれ」と応援してしまっている。
ラスト一行のヒロインのひと言が物語全体を見事なまでにまとめきっていて、
思わず背筋が寒くなった。同世代の作家がここまで書けるのは(プロと比べるのも
おこがましいですが)もう本当に尊敬の一念。
東野圭吾氏〝白夜行〟をコメディタッチにしたら本作みたいになるのかも。
なんとなくそんな風にも感じた。
ラブストーリーが苦手な人でも非常に楽しく読める内容になっています。
ミステリ好き(本格は除く)の人にもおすすめ。
あーそれにしても〝火鍋合戦〟、是非私も参加したい(超辛党としては。。。)。
私はなるべく彼女の目にとまるよう心がけてきた。
吉田神社で、出町柳駅で、百万遍交差点で、銀閣寺で、哲学の道で、「偶然の」出逢いは頻発した。
我ながらあからさまに怪しいのである。そんなにあらゆる街角に、俺が立っているはずがない。
「ま、たまたま通りかかったもんだから」という台詞を喉から血が出るほど繰り返す私に、
彼女は天真爛漫な笑みをもって応え続けた。「あ! 先輩、奇遇ですねえ!」……
「黒髪の乙女」に片想いしてしまった「先輩」。
二人を待ち受けるのは、奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々、そして運命の大転回だった。
天然キャラ女子に萌える男子の純情! キュートで奇抜な恋愛小説in京都。
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いたって地味なエピソードも独特の文体と圧倒的な表現力で臨場感たっぷりに面白く読ませる、
逆に「そりゃないだろ」というファンタジーな展開もリアリティ溢れる描写で違和感なく読ませてしまう、
この著者は本当に〝書ける〟人だなあと思う。20代にして直木賞候補に挙がるだけはあるなー。
ヒロインの性格は一歩間違えればぶりっ子だし(「オモチロイ」とか普通に言うし)、
ヒーローの性格も一歩間違えれば(いや、間違えなくても相当)自己中野郎なのに、
それを崩す魅力的な個性で気づくと好意を持っている。「がんばれ」と応援してしまっている。
ラスト一行のヒロインのひと言が物語全体を見事なまでにまとめきっていて、
思わず背筋が寒くなった。同世代の作家がここまで書けるのは(プロと比べるのも
おこがましいですが)もう本当に尊敬の一念。
東野圭吾氏〝白夜行〟をコメディタッチにしたら本作みたいになるのかも。
なんとなくそんな風にも感じた。
ラブストーリーが苦手な人でも非常に楽しく読める内容になっています。
ミステリ好き(本格は除く)の人にもおすすめ。
あーそれにしても〝火鍋合戦〟、是非私も参加したい(超辛党としては。。。)。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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