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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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打て。



高3の夏、復讐は突然はじまった。
中2時代のクラスメートが、一人また一人と襲われていく…。
犯行予告からトロ吉が浮び上がる。
4年前クラス中のイジメの標的だったトロ吉こと廣吉。だが、
転校したトロ吉の行方は誰も知らなかった。
光也たち有志は、「北中防衛隊」をつくり、トロ吉を捜しはじめるのだが――。
やるせない真実、驚愕の結末。高3の終らない夏休みを描く青春ミステリ。

***

荻原浩氏は文体がのほほんとしてるので、こういうどちらかというとシリアスな話は
内容と文章が一致してなくて違和感がある上にスリルを感じられなくて
のめり込みづらいんだよな。。。
しかもたぶんミステリ読み慣れてる人なら最初の段階でオチが読めます。
そのオチの読めっぷりときたら、(わざわざ名前を挙げるのも失礼ですが)東野圭吾氏の
〝ゲームの名は誘拐〟に相通じるものがある(敵役がなかなか姿を現さないところなんか特に)。
挙げ句、筆者の〝いじめはよくないよ〟という教訓が透けて見えてしまっていて、
仮に子どもが読んだとしても
「うわー、人をいじめるとこんな目に遭うんだ。いじめなんてやめておこう」
とビビるよりは
「うわー、この本、ホラー小説かと思ってたら『イジメはやめましょう』ってお堅い教科書みたいじゃん」
と見透かされてしまう確率のほうが高い。
(だいたい、いじめの筆頭だった少年が、ラストでさんざんな目に遭いながらも支えてくれる彼女が
そばにつきっきり、なんて設定じゃ温い上に全然悲壮感がないし)
また、一人一人の復讐のされ方もなんだか地味で(とはいえ二人も死人が出ているので、やっぱり
荻原氏の描写ののほほんぶりにやはり問題があるのでしょうが)ホラーサスペンスの割りに
手に汗握るといったことがまったくなかった。

荻原氏は好きだけど、本作はあんまりおすすめしません。
特にミステリ好きの人には。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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