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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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さあ、復讐が始まる。



短編ホラー映画主演女優としてロケ現場にやってきたマリア。
そこで監督に意味ありげに言われる。「きみ、羅針盤にいた子だよね」と。
マリアに忘れさりたい過去が甦る。伝説の女子高生劇団「羅針盤」。
監督はさらに言う。「一人、死んでるんだよね」
羅針盤はメンバーの死と共に活動を停止した。マリアが殺したのだった。
監督はいったいどこまで知っているのか。疑心はふくらむ。
そして物語は四年前、羅針盤の誕生と死へと移ってゆく。
島田荘司選第1回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作受賞作!

***

面白かったー!
特に気張って推理しなくても犯人やその動機は比較的簡単に読めてしまうけど、
(ついでに言えばトリックもかなりバレバレの感はあるけど)
作家の乙一氏も言っていたとおり
「伏線がバレてもドラマ部分がしっかり成立していればそれでよし」
的な感じで許せてしまう。それぐらい面白かった。

ところで本作がデビュー作の水生さん、女性かな?
告白〟の湊かなえさんに似た性別を感じさせない中性的な文体に物語、
でも女性の心理描写が非常にきめ細かくリアルなところなんかがそう思わせるのですが。
もし男性なんだとしたらすごいな。

ちなみに最後の島田荘司氏の選評、
「え? そうかな? そんなことないと思うけど」という評価ばかりで、
本の評論には割かし自負のある私を一度はへこませたものの、
追記部分にてその選評のあと著者がかなり内容に手を加えたことがわかりひと安心。
物語を読む眼はちゃんと養われているようでよかった。

でも確かに島田氏の言うとおり、本作の元のタイトルが〝罪人いずくにか〟はないよなあ。。。
自分も最初知ったときびっくりしたもん。
ライトな文体の本作とは全然合ってないし、芝居をテーマにした物語なんだから
それに絡めたタイトルをつければいいのに。
と思っていたら最終的には〝少女たちの羅針盤〟。最高です。
このタイトルに惹かれて本作を手に取ったと言っても過言じゃない。
やっぱりタイトルは大切だよなー。

むちゃくちゃおすすめ。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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