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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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生き切ることを――。



恋人の変死、BSE疑惑牛の白骨体、天才外科医の父の入院……
獣医師・内海綾子に迫る異変の連鎖。
全てを解く鍵は、勘当された父から消えゆく記憶と意識だった。
父娘の絆は甦るか――最先端医療サスペンス。

***

前作〝東京ダモイ〟よりは全然面白かったのですが。。。
やっぱりこの著者はあんまりミステリ向きじゃない気が。
Amazon引用の上記のあらすじだって正直ウソだし。
どんどん消え行く父の記憶、その前に何としてでも謎の鍵を彼から引き出さなければならない、
まさに時間との勝負、彼の娘である主人公はどう機転をきかせてそれを成し遂げるのか――?!
みたいなのを期待してたら、父親の握る鍵なんて微々たるものだししかもそれだって
後半になって付け足しみたいに出てくるだけだし。

あとこれはいちゃもんみたいになってしまいますが、デビュー作でさんざん読まされた〝俳句〟が
本作にまで登場するとは。。。俳句や短歌は決して嫌いじゃないんだけどいい加減うんざりした。
著者はよっぽど好きなんだなあ。。。
前著は最初からそれがメインになっていたからいいけど、今回はそうじゃないので正直浮いてた。
ただでさえスリルもスピード感もない物語がさらに間延びしちゃってた印象。
出来るものなら次回作ではもう出さないでくれと言いたい。

物語に言及すれば、犯人は早い段階で読めてしまうし犯行の動機も火サス並みに陳腐だし
終盤なんだかうっすら白い巨塔のパクリ入ってるしタイトルの〝屈折光〟もとってつけたように
ラスト1ページにちょろっと出てくるだけだし。てっきり
〝皆が皆、相手を間違って解釈していてその本性に気づけなかった、
屈折して届いた光がそれぞれの網膜に相手の歪んだ人間像を伝えていた〟
とかいう意味でもあるのかと思ってたら、そんなことどこにも書いてないし。

ミステリ好きにはおすすめしません。
正直この著者はミステリじゃなく、純文とエンタメの中間小説を書いたほうがよっぽど持ち味が
発揮できると思う。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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