私は生きようとしているだけだ。
ある夜とつぜん電話をかけてきた、同級生と称する男。
嘘つきで誠意のかけらもない男だと知りながら、私はその嘘に魅了され、
彼に認められることだけを夢見る――。
***
いい感じの出だしにわくわくしながら読み進めたものの。。。
本谷作品のほぼすべての作品に太鼓判を押してきた私の、唯一納得いかない小説に
本作はなってしまった。要するにつまらない。ラストは好きだけどそれ以外はどうにも
受け付けなかった。
まず人物の描写が浅い。
主人公・熊田が惚れる男・向伊の人間的いやらしさ、あざとさみたいなものが描き切れていなく
キャラが立っていないように感じた。だから向伊の、本来なら多分に魅力的であろう
一挙手一投足が心まで響いてこない。
熊田の両親も、見も知らない男が自分の娘の実家に転がり込んできたのを黙認しておきながら
熊田曰く「私の親は厳しい」って、何だそりゃ?と思ったし、
ほかにも不自然に感じる展開がいくつかあって「これはフィクションだ」という考えが
頭から抜けず物語の世界観に入り込めなかった。
著者・本谷さんの十八番である独特の比喩表現も今回はあまり
「おおっ」と膝を打つようなものもなく、鳴りを潜めていた感じ。
全体に大人しい小説のように感じた。
唯一熊田の恋人・原の描写はすごくよかったけど。
この小説で楽しんで読めるところといったら原の出てくるシーンだけだな。
タイトルも本谷さんにしてはどこか陳腐で何となく嫌な予感はしてたんだけど、
当たってしまった。
次回作に期待。
ある夜とつぜん電話をかけてきた、同級生と称する男。
嘘つきで誠意のかけらもない男だと知りながら、私はその嘘に魅了され、
彼に認められることだけを夢見る――。
***
いい感じの出だしにわくわくしながら読み進めたものの。。。
本谷作品のほぼすべての作品に太鼓判を押してきた私の、唯一納得いかない小説に
本作はなってしまった。要するにつまらない。ラストは好きだけどそれ以外はどうにも
受け付けなかった。
まず人物の描写が浅い。
主人公・熊田が惚れる男・向伊の人間的いやらしさ、あざとさみたいなものが描き切れていなく
キャラが立っていないように感じた。だから向伊の、本来なら多分に魅力的であろう
一挙手一投足が心まで響いてこない。
熊田の両親も、見も知らない男が自分の娘の実家に転がり込んできたのを黙認しておきながら
熊田曰く「私の親は厳しい」って、何だそりゃ?と思ったし、
ほかにも不自然に感じる展開がいくつかあって「これはフィクションだ」という考えが
頭から抜けず物語の世界観に入り込めなかった。
著者・本谷さんの十八番である独特の比喩表現も今回はあまり
「おおっ」と膝を打つようなものもなく、鳴りを潜めていた感じ。
全体に大人しい小説のように感じた。
唯一熊田の恋人・原の描写はすごくよかったけど。
この小説で楽しんで読めるところといったら原の出てくるシーンだけだな。
タイトルも本谷さんにしてはどこか陳腐で何となく嫌な予感はしてたんだけど、
当たってしまった。
次回作に期待。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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