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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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神よ。私は幸せです。



あたしは必ず、脱出してみせる――。ノンストップ最新長篇!

32人が流れ着いた太平洋の涯の島に、女は清子ひとりだけ。
いつまで待っても、無人島に助けの船は来ず、いつしか皆は島をトウキョウ島と呼ぶようになる。
果たして、ここは地獄か、楽園か? いつか脱出できるのか――。
欲を剥き出しに生に縋りつく人間たちの極限状態を容赦なく描き、
読む者の手を止めさせない傑作長篇誕生!

***

偏見で申し訳ないですが、女性の書く小説というのはとかく小ぢんまりとまとまって
しまいがちな印象があるので、いくら直木賞受賞作家といえどこの手の壮大な物語を
描ききれるものかとあまり期待せずに読み進めていったのですが。。。
その読みは間違っていなかったようです。

何より中途半端極まりないラストに脱力。
童話やジュブナイルならこれでも許されるかもしれませんが、
大人向けに書かれた物語でこのオチはいくらなんでもひどい。
清子が最後、突然高名な占い師になっているのも脈絡がなさ過ぎてあっけにとられたし、
物語全体があまりにもご都合主義に展開するのでスリルも何もあったもんじゃない。
それに(たとえ著者があえて狙ってそうしているのだとしても)、清子の性格が
生理的に受け付けなくて、でも彼女主体で物語が進行するので苦痛で仕方なかった。
登場人物たちが無人島で暮らしていくうちに来たす精神的変化も、
ほとんど描写されていないので何で突然そのキャラがそういう考えに至ったのか、
そういう行動に走ったのか、というのがいちいち掴みにくく、かと思えば
今どきマンガでもお眼にかからないようなありきたりな理由で人格が変わる人間も
出てくる始末で、ページを繰るごとに本作に興味をなくしていく自分を感じた。

そして女性特有の〝所帯くさい〟描写。
無人島に流れ着いた人が都会に帰ったら食べたいものを夢想するのは当然ですが、
いちいちその食べ物にメーカー名を入れないでほしい。正直ダサい。
男性作家ならまずやらないでしょう。

同じサバイバルものなら、こちらは無人島じゃないですが貴志祐介氏の



のほうが遥かにおすすめ。
本作は可もなし不可もなし、それ以外の感想は特にないです。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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