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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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自分が何物でもない可能性など、あり得ない。



「あたしは絶対、人とは違う。特別な人間なのだ」――。
女優になるために上京していた姉・澄伽が、両親の訃報を受けて故郷に戻ってきた。
その日から澄伽による、妹・清深への復讐が始まる。高校時代、妹から受けた屈辱を
晴らすために…。
小説と演劇、二つの世界で活躍する著者が放つ、魂を震わす物語。

***

映画版を先に観てしまったのですが、原作のほうが数十倍、いやもっと面白かった。
若い女性著者ならではの細密な、そして(いい意味で)あざとい描写に脱帽しつつ、
一気に読みきってしまった。
映画はちょっとわかりにくい部分が多かったのですが(たとえば
なぜあの人物は自殺したのか、とか←自殺したようにしか見えなかった
なぜあの人物は超能力?をいきなり使えるようになったのか、とか)、
原作を読んですべて解消。

根拠もなく自信満々の姉にいかにして現実を教えるか、という妹の苦心に、
マンガ〝行け!稲中卓球部〟にあった
主人公たち三人が勘違いブスにいかにして己を悟らせるか、という話が重なって
思わず吹き出した。
まあ、稲中のほうが完全にギャグであるのに対して、本作は結構辛辣で
読んでいて痛かったですが。。。

それにしても、ここまでジャンルで括れない物語も珍しいな。
笑えるけど単なるコメディとも言いがたいし、ホラーや官能のようでもあるし、
純文学的味付けがされているかと思いきや突如としてエンタメに様変わり。
千変万化。不思議な小説だ。

登場人物たちもそれぞれに魅力とリアリティがありすぎて鳥肌が立つ。
むちゃくちゃおすすめの一作です。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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