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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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本当に殺したい。



死んだ女のことを教えてくれないか――。
無礼な男が突然現われ、私に尋ねる。私は一体、彼女の何を知っていたというのだろう。
問いかけられた言葉に、暴かれる嘘、晒け出される業、浮かび上がる剥き出しの真実…。
人は何のために生きるのか。この世に不思議なことなど何もない。ただ一つあるとすれば、
それは――。

***

くどい! 文章がくどい!(特に最終章の冒頭)
そして雑! 推敲してるのこれ?
ていうか初期の京極氏はどこに行ったの? あの巧みなプロットと簡潔&精緻な文章は?

。。。などとちょっと腹立ったりもしましたが基本的には面白いです。
六つからなる章の全部が全部似たようなストーリー運び&台詞のオンパレードなので
読み進めるごとにだれてはきますが、ラストのまとめ方はなかなかに秀逸。

皆自分のことばかり。
他人のことなんか知ったこっちゃない。
人と喋ってて何か相談してもいつの間にか話題が相手のことに移ってる、
そんな経験誰しもあるでしょうが、本作はそういった〝虚しさ〟みたいなものを浮き彫りにしてる。
苦笑いしつつ共感してしまった。

一見無能な一人の男が様々な肩書きや矜持を持つ人間を
弁舌巧みに(しかし本人にその自覚はない)追い詰めていく様はなかなかに痛快(もし自分が
追い詰められる立場だったらとちょっとぞっとしないですが)。
人間心理もよく書き込まれているし(ちょっと追い詰められる側が弱すぎる気がしないでも
ないけど、それはたぶん追い詰める側の青年・ケンヤの卓越した話術故と捉えておこう)。

まあおすすめかな。
それにしても改めてすごいタイトルだな本作。。。



オマケ:
本作がツボだった人はこちらがおすすめです。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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