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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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どうにもならないままただ過ぎて行った時間のことを。



古書店アルバイトの大学生・菅生芳光は、報酬に惹かれてある依頼を請け負う。
依頼人・北里可南子は、亡くなった父が生前に書いた、
結末の伏せられた五つの小説を探していた。
調査を続けるうち芳光は、未解決のままに終わった事件“アントワープの銃声”の存在を知る。
二十二年前のその夜何があったのか? 幾重にも隠された真相は?
米澤穂信が初めて「青春去りし後の人間」を描く最新長編。

***

読み終えた瞬間に背筋が(いい意味で)ぞっとした小説は久しぶり。
本作に作中作として登場する五編のリドルストーリーには面白みに欠けるものもあり、
それらを使ったトリックも少々ややこしくはありますが(そのせいでかったるくなったりもしますが)、
挫折なく読み進めていったおかげであのラストにたどり着けたのだからそれでいいかな。

それにしても、
〝アントワープの銃声〟という作中のあの雑誌記事をもうちょっと初めに持ってきてくれていたら
読者も謎解きに参加できたのにな。だいぶあとにならないと出てこなくて残念。
あと主人公がちょっと魅力に欠ける人物だったのも×。

映画〝インシテミル〟が公開されてこの著者も知名度上がるかな。
でも米澤氏の真髄はいかにも娯楽小説っぽいあれよりも本作のような物語にあると思うので、
映画を見て(もしくは原作を読んで)気に入った人は
本作を含めたほかの作品も是非チェックしてみてください。

shinobu.jpg







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追想五断章/米澤穂信 
こんにちは。同じ本の感想記事を
トラックバックさせていただきました。
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お気軽にどうぞ。
藍色 URL 2011/03/26(Sat)02:15:55 EDIT
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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