パーティーは始められた。
楡井和樹は恩師・益子の仇である江藤を殺した。
しかし、まだ終わっていない。
裏切り者であるかつての親友・設楽宏一にこの事実を突きつけなければ、
復讐は完結しないのだ。
設楽邸に向かった楡井は、設楽の妻、妹、秘書という三人の美女に迎えられる。
息子の誕生パーティーだというのに、設楽は急な仕事で書斎にいるという。
歓待される楡井だが、肝心の設楽はいつまで経っても姿を見せない。
書斎で何が起こっているのか――。
石持浅海が放つ、静かなる本格。
***
失礼な話、この著者の著作は半分ネタとして読んでいるところがある。
心理ゲームを主体に物語を展開させるのが石持氏の作風なのですが、
その肝心の心理描写がとにかく変で違和感ありまくりなので。
「え、そこでその感情の動きはおかしいだろ」「どうしてそうなったからって
そういう考えに至るわけ?」
と突っ込みながら読むのが面白い。
今回も不自然な登場人物たちの挙動や心の動きに
ばんばん突っ込みを入れつつある意味楽しく読ませてもらった。
とはいえ決して嫌いな作家さんではなく、
むしろその発想力には一定の敬意を払っているつもりではあるのだけど。
氏の生み出す独特の物語はほかの小説家には類を見ないものだから。
これで心理描写がもっとスムーズだったらかなり敬愛する作家さんのひとりに
なるのにな。
本作はワンシチュエーションのミステリなので
小説よりも舞台化とかしたほうがひとを惹き付ける作品になるのではと思う。
オチは世にも奇妙な物語レベル。つまらなくはないけどまあありがち、というか。
それにしても石持作品は、主張が強い癖に妙に男に従順な女ばかり出てくるので
そのへんがご都合主義だなーとは思う。
200Pと短い作品なので、それなりにインパクトはありつつも軽いミステリを
さくっと読みたいひとにはおすすめ。
そして余談ですが、石持氏のお家芸「喉をひゅっと鳴らした」が
本作にも登場して個人的にはご満悦です。
楡井和樹は恩師・益子の仇である江藤を殺した。
しかし、まだ終わっていない。
裏切り者であるかつての親友・設楽宏一にこの事実を突きつけなければ、
復讐は完結しないのだ。
設楽邸に向かった楡井は、設楽の妻、妹、秘書という三人の美女に迎えられる。
息子の誕生パーティーだというのに、設楽は急な仕事で書斎にいるという。
歓待される楡井だが、肝心の設楽はいつまで経っても姿を見せない。
書斎で何が起こっているのか――。
石持浅海が放つ、静かなる本格。
***
失礼な話、この著者の著作は半分ネタとして読んでいるところがある。
心理ゲームを主体に物語を展開させるのが石持氏の作風なのですが、
その肝心の心理描写がとにかく変で違和感ありまくりなので。
「え、そこでその感情の動きはおかしいだろ」「どうしてそうなったからって
そういう考えに至るわけ?」
と突っ込みながら読むのが面白い。
今回も不自然な登場人物たちの挙動や心の動きに
ばんばん突っ込みを入れつつある意味楽しく読ませてもらった。
とはいえ決して嫌いな作家さんではなく、
むしろその発想力には一定の敬意を払っているつもりではあるのだけど。
氏の生み出す独特の物語はほかの小説家には類を見ないものだから。
これで心理描写がもっとスムーズだったらかなり敬愛する作家さんのひとりに
なるのにな。
本作はワンシチュエーションのミステリなので
小説よりも舞台化とかしたほうがひとを惹き付ける作品になるのではと思う。
オチは世にも奇妙な物語レベル。つまらなくはないけどまあありがち、というか。
それにしても石持作品は、主張が強い癖に妙に男に従順な女ばかり出てくるので
そのへんがご都合主義だなーとは思う。
200Pと短い作品なので、それなりにインパクトはありつつも軽いミステリを
さくっと読みたいひとにはおすすめ。
そして余談ですが、石持氏のお家芸「喉をひゅっと鳴らした」が
本作にも登場して個人的にはご満悦です。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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