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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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その犯行には、人生よりも深い謎がある。



人生を賭けた激しい願いが、6つの謎を呼び起こす。
期待の若手が放つミステリの至芸!
人を殺め、静かに刑期を終えた妻の本当の動機とは――。
驚愕の結末で唸らせる表題作はじめ、交番勤務の警官や在外ビジネスマン、
フリーライターなど、切実に生きる人々が遭遇する6つの奇妙な事件。
入念に磨き上げられた流麗な文章と精緻なロジック。
「日常の謎」の名手が描く、王道的ミステリの新たな傑作誕生!

★収録作品★

 夜警
 死人宿
 柘榴
 万灯
 関守
 満願

***

偉そうにも、米澤氏成長したなーと思う。
もともと書ける作家さんだとは思っていたけど、
余分な文章やシーンが作を重ねるたびに削られていき、
それどころか洗練されていき、
本作でその集大成を見た気がした。

ミステリとは謎が提示されそれが解き明かされるのを楽しむもので、
結局は娯楽小説だから「あー面白かった」であとは忘れてしまうことが
多い。
でも本作に収録されている六篇のミステリは、
人間の深い部分まで描かれていて、読み終えたあとも心に残る。
大きなものを与えられた気持ちになる。
はっきり言ってしまえばミステリの真相自体はシンプルなのだけど、
それに絡めた人間ドラマがぞくりとくるほどうまい。
「柘榴」「夜警」「満願」では特にそれが顕著で、
いい意味でミステリを読んでいる感じがしなかった。
あまりにいい本を読んだ感動で知人に無理やり貸してしまったぐらい。
そもそも図書館で借りずに購入したのが私にしては珍しいことなのだけど
買って正解だったと思う。これはずっと手元に置いておきたい。

この著者が直木賞を受賞する日は決して遠くないと思う。
直木賞を受賞するとミステリを書かなくなってしまうミステリ作家が
多いからそれは勘弁願いたいけど、このひとなら大丈夫だと思うから。

いま一番応援したい作家さんです。

非常ーーーにおすすめ。是非。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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