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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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彼がずっと見ていてくれる。



こんな男のどこがいいのか。 ほろ苦く痛がゆい、著者会心の成長小説。
それぞれに魅力的な5人の女性を振り回す、伊藤誠二郎、27歳。
見た目はいいが、自己中心的。自分は傷つくくせに、人は平気で傷つける。
彼女たちが伊藤に抱く恋心、苛立ち、嫉妬、執着、優越感――。

A 伊藤に長い間片思いするが、粗末に扱われ続けるデパート勤務の美人
B 伊藤からストーカーまがいの好意を持たれてブチ切れる、バイトに身の入らないフリーター
C 伊藤の童貞を奪う、男が切れたことのないデパ地下ケーキ店の副店長
D 処女を理由に伊藤にふられるも、売れっ子放送作家を初体験の相手に選ぶ大学職員
E 伊藤が熱心に勉強会に通う、すでに売れなくなった33歳の脚本家

***

女は男が思ってるほど外見で男を選ばないってことだな。
と、本作を読んで改めて思う。
ここまでだめんずだといっそすがすがしいというほど伊藤くんはだめんずで、
著者の身近にこういうイケメンがいたのかと思うほどリアルで笑える。
でもそんなだめんずに恋してしまったり、恋じゃなくても近付いてしまう
女の気持ちもわかるのでうんうんと頷きながら読んでしまう。
最終話の伊藤くんの演説にはちょっと洗脳されそうになったけど、
冷静に考えるとそれも超のつくだめんず理論で、
でもそれでプロの脚本家を説得しかけてしまう彼は
何かしらの吸引力、ある種の魅力は持っているのだと思う。
彼が化けるかどうかはわからないけど、珍獣を見守る感じで
ちょっと離れたところから観察していたいような好奇心を、
こんな男性が近くにいたら掻き立てられるだろうなと思った。

エッセイを読んでるみたいにすいすい読めます。
面白かった。
おすすめです。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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