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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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長い放課後になりそうだ――。



校内の更衣室で生徒指導の教師が青酸中毒で死んでいた。
先生を2人だけの旅行に誘う問題児、
頭脳明晰の美少女・剣道部の主将、
先生をナンパするアーチェリー部の主将――犯人候補は続々登場する。
そして、運動会の仮装行列で第2の殺人が……。
乱歩賞受賞の青春推理。

***

〝殺害動機がものすごい小説〟ということで有名な一冊。
有名すぎてその〝動機〟は既に知ってしまっていたのですが、
犯人は運よく知らなかったので手にとってみた。

。。。東野氏、今より文章うまいし(新人賞応募作だから気合入ったのか?)。
時代的なこともあるんだろうけど最近の著作よりずっと本格ミステリしてるし。
最近の東野作品を読みなれていた身には新鮮だった。

中盤の体育祭の事件は「主人公、鈍いよ。。。そうなる可能性ぐらい
考えておけよ」と思いましたが(たぶん読んだ人皆そう思っていると思う)、
そして密室のトリックもちょっとリスクが高すぎると思いましたが、
前者はともかく後者はやっぱり高校生の若さや浅はかさからくるトリックなんだろうなあ、と納得。

最近のどんでん返し系ミステリは登場人物や彼らの行動がごちゃごちゃしすぎていて
読み手がけむに巻かれているうちに事態が突然あさっての方向にいくものが多くて、それを
「どんでん返し」と錯覚させられるものが多いですがそんなものはただ単に
急カーブで乗ってる車の中ですっ転ばされて驚いているだけ的なしょうもないもので、
その点本作のどんでん返しは、東野氏の運転する車にのほほんと乗っていたら
ふいにやたら急勾配が続いて、とどめに崖から転落させられた感じ。
バウンドして裏、バウンドして表、またバウンドして最後にひっくり返った車。まさにこれこそが
〝どんでん返し〟。
さらに言うなら崖から落っこちた先は道路でダンプカーが迫ってくるような。。。
最後までスリル溢れる物語で一気に読めた。

本作執筆当時27歳とはいえ、様々な年代の女性の心の機微をよくわかっているなあ、と
女の私でも思わされました。

おすすめです。



ちなみに蛇足ですが、私が最近東野作品ばかり読んでいるのは、
彼の文章は癖がないので自分が書く小説に影響がないからなのです(単純に
好きってこともありますが)。
今は執筆期間の私です。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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