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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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わたしからは逃れられない。



病を癒す力を持つ「奇跡の泉」があるという亀恩洞(きおんどう)は、
別名を〈鬼隠れの穴〉といい、高賀童子(こうがどうじ)という牛鬼が棲むと伝えられていた。
運命の夜、その鍾乳洞前で発見された無惨な遺体は、やがて起こる惨劇の始まりに過ぎなかった。
古今東西の物語の意匠と作家へのオマージュが散りばめられた、精密で豊潤な傑作推理小説。

***

掴みはかなり面白くぐいぐい読ませる。
ただ中盤から後半にかけて決定的にダレる。クライマックスにいたっては
さしたる驚きもなくあくび混じり。
実は犯人はあのひとだった、というオチも、「いくら何でも周りが気付くだろ」と突っ込んだぐらい
突拍子もなく説得力に欠ける。
そのこと以外にも、あのひとが犯人だとするとつじつまが合わないことがいくつも出てくる。
そして決定的なのが、冒頭で登場するあの男があそこまで精神的に追い詰められた原因の
説明不足。そこまで怖い目に遭ったわけでもないのに何であそこまで病んじゃったんだろう。
とってつけたように「あれは本当に恐怖の体験だった」と言われてもこれまた説得力がない。

〝ハサミ男〟が面白すぎただけにこの落差は残念に感じた。
メフィスト賞出身の作家はもっとやらかしてくれなきゃ面白味に欠ける。

文章は非常にうまくて読みやすく大変勉強になりましたが。

まあまあ面白かったけど800P近くもかけて追いたくなるほどの物語ではないな。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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