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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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ああ。生きている。生きている。



「ゆれる」で世界的な評価を獲得し、今、最も注目を集める映画監督が、
日常に潜む人間の本性を渾身の筆致で炙りだした短編集。
2009年公開映画「ディア・ドクター」に寄り添うアナザー・ストーリーズ。

★収録作品★

 1983年のほたる 
 ありの行列 
 ノミの愛情 
 ディア・ドクター 
 満月の代弁者

***

ひと言で言えば〝惜しい〟小説。
どれも決して悪い物語ではないのに、読者の心の琴線にあと一歩届かない、的な。
〝ありの行列〟なんて某女性漫画家の著作にまったく同じシーンがあるので
パクリだとこそ思わないものの「ふーん」という感じだったし。

前作〝ゆれる〟がかなりよかったこともあり(初読時はそうでもなかったのに
読み終えてしばらく経ってもなぜか頭から離れず
思わず買ってしまったという逸話あり)、
そこまで響かなかったというのが正直なところ。
文章もシンプルなのに読みづらい部分がたまに出てくるし。

表題作〝ディア・ドクター〟は、唯一西川節を感じて感動したけど
(特に主人公の弟が結婚式で涙を流すくだりはかなりきた)
それも結局は兄弟間の関係に感動しただけで、
肝心の〝僻村の医者〟を描いた部分にはぴくりとも心が反応せず。

ああ、今気づいたけど、〝ゆれる〟もそうだしこの人は兄弟を描くのがうまいのかも。

西川さんが本作で芥川賞を獲らなくてよかった。
彼女にはもっといい作品でもし獲るなら獲ってもらいたい。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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