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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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事件は、何度でも人を試す。



昭和64年に起きたD県警史上最悪の誘拐殺害事件を巡り、
刑事部と警務部が全面戦争に突入。
広報・三上は己の真を問われる。
究極の警察小説!

***

盛り上がり方が非常に緩やかなので640Pというボリュームは
正直きついものがあった。
長編(特に本作のような大長編)ならではの渾身のクライマックスもなく
事件の真相は小粒だし。
主人公・三上と記者たちのやり取りが物語のほとんどを占めているのだけれど
警察VS報道記者のエピソードにあまり興味のない身としては
あまり楽しんで読むことも出来なかった。
著者の横山秀夫氏の持ち味である人間ドラマも
過去の作品に比べるとやや希薄だった気がした。
唯一胸を打たれたのは三上の妻・美那子の
失踪した娘・あゆみへの想いを表す言葉だけ。
ああ確かにそうだよなあ、と物語の主体を外れたところで感銘を受けてしまった。
でもその言葉は特に本筋に絡んでこないので、
そのひと言が物語のテーマを象徴するようもっと本作の内容に絡めれば
よかったんじゃないかなと個人的には思った。

横山作品の中ではあまり楽しめませんでした。
期待していただけに残念。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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