あたしたちはもっともっと堕ちていける。
ママの名前は、マコ。マコの娘は、コマコ。
うつくしく、若く、魂は七色に輝く、そしてどうしようもなく残酷、な母の
“ちいさな神”として生まれた娘の5歳から34歳までを描く。
『赤朽葉家の伝説』『私の男』――集大成となる家族の肖像。
***
物書きのヒロインの顛末記である点は〝赤朽葉家の伝説〟と、
親に歪んだ愛情を抱き抱かれ成人してからもその呪縛に囚われたままの点は〝私の男〟と、
よく似た物語だった。
察するに物を書く人間というのは自分の内側にもうひとつの人生を持っていて、
本作は虚実、いや、〝自分の外側の現実〟と〝自分の内側の現実〟を織り交ぜて
描かれたものなんだろうと思う。
ヒロインが物語の後半で著者と同じ直木賞を受賞することからもそのことがうかがえる。
小説としては上記二作品に及ばないけれど、
これを作家・桜庭一樹さんの本音、自伝と捉えれば、興味深く読むことができると思う。
比喩表現や作中作(ヒロインが創る物語)がやたらファンタジックだったのが鼻についたけど、
著者はもともとそういう畑の出身なので自然と染み出してきた結果なのかな。
句点もやたら多くて文章のリズムをくずしていたけど(稀にぴたっとはまって効果をなしてる
句点もあるにはあるんだけど)、これもまた著者の喋るリズムに近いのかもしれない。
ところで作中に出てくる写真のオカルト話の元ネタ、これじゃないかと思うんだけど。
ちょっとやそっとの怪談じゃびくりともしない私が唯一青褪めた話。
もしこれを桜庭さんが自分で考え出したならすごい。
ちなみに本作、作家を目指している人にもおすすめです。
マイナスの影響受ける可能性があるから、精神が不安定な人にはすすめませんが。
ママの名前は、マコ。マコの娘は、コマコ。
うつくしく、若く、魂は七色に輝く、そしてどうしようもなく残酷、な母の
“ちいさな神”として生まれた娘の5歳から34歳までを描く。
『赤朽葉家の伝説』『私の男』――集大成となる家族の肖像。
***
物書きのヒロインの顛末記である点は〝赤朽葉家の伝説〟と、
親に歪んだ愛情を抱き抱かれ成人してからもその呪縛に囚われたままの点は〝私の男〟と、
よく似た物語だった。
察するに物を書く人間というのは自分の内側にもうひとつの人生を持っていて、
本作は虚実、いや、〝自分の外側の現実〟と〝自分の内側の現実〟を織り交ぜて
描かれたものなんだろうと思う。
ヒロインが物語の後半で著者と同じ直木賞を受賞することからもそのことがうかがえる。
小説としては上記二作品に及ばないけれど、
これを作家・桜庭一樹さんの本音、自伝と捉えれば、興味深く読むことができると思う。
比喩表現や作中作(ヒロインが創る物語)がやたらファンタジックだったのが鼻についたけど、
著者はもともとそういう畑の出身なので自然と染み出してきた結果なのかな。
句点もやたら多くて文章のリズムをくずしていたけど(稀にぴたっとはまって効果をなしてる
句点もあるにはあるんだけど)、これもまた著者の喋るリズムに近いのかもしれない。
ところで作中に出てくる写真のオカルト話の元ネタ、これじゃないかと思うんだけど。
ちょっとやそっとの怪談じゃびくりともしない私が唯一青褪めた話。
もしこれを桜庭さんが自分で考え出したならすごい。
ちなみに本作、作家を目指している人にもおすすめです。
マイナスの影響受ける可能性があるから、精神が不安定な人にはすすめませんが。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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