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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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残光が見せる幻。



木はすべてを見ていた…。
ある町に、千年の時を生き続ける一本のくすの巨樹があった。
千年という長い時間を生き続ける一本の巨樹の生と、
その脇で繰り返される人間達の生と死のドラマが、時代を超えて交錯する。

★収録作品★

 萌芽
 瓶詰の約束
 梢の呼ぶ声
 蝉鳴くや
 夜鳴き鳥
 郭公の巣
 バァバの石段
 落枝

***

荻原氏は好きな作家の一人だけど、彼の作品は正直ほんと当たりはずれが大きい。
個人的には、

★当たり
 
 神様からひと言(外出する母に貸したら電車で読んで吹き出し周りに見られたらしい。傑作)
 明日の記憶(言うまでもなく大傑作。ラストは原作のほうが秀逸なので映画は観ないでください)
 ハードボイルド・エッグ(大爆笑&号泣。とぼけた探偵とおばあちゃん助手のコンビが最高)
 (傑作とまではいかないけどラスト一行で感じる寒気はかなりのもの)

★はずれ

 誘拐ラプソディ(丁寧に書き込みすぎでテンポが悪い。普通にストーリーが面白くない)
 メリーゴーランド(途中で寝た)
 コールドゲーム(犯人は途中で読めるし全体的になんかいまいち)
 
★微妙

 オロロ畑でつかまえて(ああそうですか、としか思わなかった)
 さよならバースディ(まあまあ面白いのですがあまり残らない)
 あの日にドライブ(競輪のおじさんのエピソードは好きだけどあとは冗長)
 ママの狙撃銃(ナメクジを執拗に残酷に殺す描写が可哀想で途中で投げた)
 四度目の氷河期(ありがちな話過ぎて&なぜか異様にむかつき読後壁に投げた←実話)

(あとは未読or特に感想なし)



で、本作は〝微妙〟と〝はずれ〟の中間地点。

妙に真面目で毒気がなく、内容もありふれていて、どことなく説教くさい。
ひと言でいえばまるで道徳の教科書を読んでいるみたいだった(いや、幼少時
道徳の教科書大好きでしたが。大人になるとさすがにね。。。)。

〝バァバの石段〟が唯一読んでじんわりきた話だったかな。
戦時中の恋愛っていいなあ、と妙に主人公のカップルふたりが微笑ましく思えたし、
終わり方もすがすがしい。
終わり方といえば、どうでもいいけど本の最後の一行に〝糞〟て言葉が入ってる小説を
初めて読んでちょっと新鮮だった(ほんとどうでもいいな。。。)。

でもやっぱり荻原氏はこういうシリアス路線じゃなくコメディを書いたほうが
実力を発揮できる人だよな。
そんな作風からの脱却をはかりたいのかもしれないけど、それはもう〝明日の記憶〟で
果たしてるんだから、感動系とかシリアス系じゃなく、またコミカルな話を書いてほしい。

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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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