愛されている。
生きるということは、透明魔人をたくさん生み出していくことなのだ。
空飛ぶ一家と家族の交換。
額に書かれた自分の名前。
バットでボコボコ僕のプリウス。
学校襲撃絶対ノンノン!!
夢と嘘と優しさと愛と憎しみと悲しみと平和と暴力。
どうして目に見えないものばかりが世界に満ちているのだろう?
21世紀型作家による5つの世界創造。
★収録作品★
みんな元気。
Dead for Good
我が家のトトロ
矢を止める五羽の梔鳥
スクールアタック・シンドローム
***
舞城氏にしては何だかパっとしないなあ。。。というのが正直な感想。
これまでは、作中でどんなに破天荒なことをやらかしていても
その根底には読者に対するサービス精神(といっても、よくある
『どうぞ心ゆくまでお楽しみくださいませ』みたいなへりくだったものじゃなく、
『おうおまえら、俺は好き勝手やるけどまあおまえらもせいぜい楽しんでいけよ。
じゃあなあばよ』的な)があったのに、今回はもうほんと
〝自分の、自分による、自分のための小説〟
みたいな感じだった。
著者読み手のこと完全に無視というか。
人の夢(寝て見る方のね)日記を覗き見た感覚に近い、というか。
どうにも荒唐無稽すぎて、読んでいて置いてきぼり感が。
表題作〝みんな元気。〟の恋愛+ファンタジーな世界観は
氏の以前の著作〝阿修羅ガール〟にかなり近い。
と、いうよりほぼその焼き直し(〝阿修羅~〟にも〝透明魔人〟ならぬ〝グルグル魔人〟が
登場するし。けれど本作ではその魔人がいてもいなくてもいいほど存在意義が希薄かつ無意味。
「舞城氏、どんだけ魔人って設定が好きなんだ?」とこれまたどうでもいい感想が湧いただけ)。
玄関チャイムやキャラの笑い声を独特の擬音で表現するのも、
初めて見たときはすごく斬新だったけど何度も繰り返されると鼻につく。
「これ著者が実際交わしたものをそのまま書いてるんじゃないの?」というほどリアルな
登場人物同士の会話も、あまりにダラダラ続けられると
「そのへんははしょっていいから早く話を進めてよ」と思ってしまう。
その他表題作に関しても、小説というよりは論文を読んでいるようで、舞城氏が〝物語〟ではなく
単に自分の主張をそのまま書いただけ、という印象を受けた。
登場人物も、これまでの著作に登場する
〝まともでもいい奴でもないけどどこか一本芯が通っていて愛せる〟キャラから一転、
不快なだけの人物が多いし(自分的には特に〝我が家のトトロ〟の
主人公の奥さんが好きになれなかった。
むしろ〝普通に考えたら絶対におかしい(しかもそれが人を傷つける)ことを一片の疑念もなく
堂々とポリシーとして掲げにっこり微笑む〟という彼女のキャラに
恐怖すら感じる始末←友人にそういう人がいるせいかもしれませんが)。
唯一よかったのは〝スクールアタック・シンドローム〟。
これだけは舞城氏本領発揮。
登場する父子むっちゃ格好いい&親子愛すてき。
(出版社もわかっているのかこれは本作とは別に文庫本が出てます↓)
読んで十分満足いったのはこれだけ。
でもどの作品も〝人に読ませるための物語〟の体をあまり成していない、というだけで
(いやそれが問題なんだよ、という意見はさておき)、読後何も得るものがないわけでは
もちろんないので(〝みんな元気。〟のラストは感動だし)、読むならやっぱり
本作を読んでみてほしいな。
やっぱり舞城氏は好きなので次回作に期待します。
ちなみに文庫版には〝トトロ〟と〝スクール〟収録されてないのでご注意。
生きるということは、透明魔人をたくさん生み出していくことなのだ。
空飛ぶ一家と家族の交換。
額に書かれた自分の名前。
バットでボコボコ僕のプリウス。
学校襲撃絶対ノンノン!!
夢と嘘と優しさと愛と憎しみと悲しみと平和と暴力。
どうして目に見えないものばかりが世界に満ちているのだろう?
21世紀型作家による5つの世界創造。
★収録作品★
みんな元気。
Dead for Good
我が家のトトロ
矢を止める五羽の梔鳥
スクールアタック・シンドローム
***
舞城氏にしては何だかパっとしないなあ。。。というのが正直な感想。
これまでは、作中でどんなに破天荒なことをやらかしていても
その根底には読者に対するサービス精神(といっても、よくある
『どうぞ心ゆくまでお楽しみくださいませ』みたいなへりくだったものじゃなく、
『おうおまえら、俺は好き勝手やるけどまあおまえらもせいぜい楽しんでいけよ。
じゃあなあばよ』的な)があったのに、今回はもうほんと
〝自分の、自分による、自分のための小説〟
みたいな感じだった。
著者読み手のこと完全に無視というか。
人の夢(寝て見る方のね)日記を覗き見た感覚に近い、というか。
どうにも荒唐無稽すぎて、読んでいて置いてきぼり感が。
表題作〝みんな元気。〟の恋愛+ファンタジーな世界観は
氏の以前の著作〝阿修羅ガール〟にかなり近い。
と、いうよりほぼその焼き直し(〝阿修羅~〟にも〝透明魔人〟ならぬ〝グルグル魔人〟が
登場するし。けれど本作ではその魔人がいてもいなくてもいいほど存在意義が希薄かつ無意味。
「舞城氏、どんだけ魔人って設定が好きなんだ?」とこれまたどうでもいい感想が湧いただけ)。
玄関チャイムやキャラの笑い声を独特の擬音で表現するのも、
初めて見たときはすごく斬新だったけど何度も繰り返されると鼻につく。
「これ著者が実際交わしたものをそのまま書いてるんじゃないの?」というほどリアルな
登場人物同士の会話も、あまりにダラダラ続けられると
「そのへんははしょっていいから早く話を進めてよ」と思ってしまう。
その他表題作に関しても、小説というよりは論文を読んでいるようで、舞城氏が〝物語〟ではなく
単に自分の主張をそのまま書いただけ、という印象を受けた。
登場人物も、これまでの著作に登場する
〝まともでもいい奴でもないけどどこか一本芯が通っていて愛せる〟キャラから一転、
不快なだけの人物が多いし(自分的には特に〝我が家のトトロ〟の
主人公の奥さんが好きになれなかった。
むしろ〝普通に考えたら絶対におかしい(しかもそれが人を傷つける)ことを一片の疑念もなく
堂々とポリシーとして掲げにっこり微笑む〟という彼女のキャラに
恐怖すら感じる始末←友人にそういう人がいるせいかもしれませんが)。
唯一よかったのは〝スクールアタック・シンドローム〟。
これだけは舞城氏本領発揮。
登場する父子むっちゃ格好いい&親子愛すてき。
(出版社もわかっているのかこれは本作とは別に文庫本が出てます↓)
読んで十分満足いったのはこれだけ。
でもどの作品も〝人に読ませるための物語〟の体をあまり成していない、というだけで
(いやそれが問題なんだよ、という意見はさておき)、読後何も得るものがないわけでは
もちろんないので(〝みんな元気。〟のラストは感動だし)、読むならやっぱり
本作を読んでみてほしいな。
やっぱり舞城氏は好きなので次回作に期待します。
ちなみに文庫版には〝トトロ〟と〝スクール〟収録されてないのでご注意。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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