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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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「そうよ。あたしを殺しなさい。あの時のように」



記憶を一部喪失した雨村慎介は、自分が交通事故を起こした過去を知らされる。
なぜ、そんな重要なことを忘れてしまったのだろう。
事故の状況を調べる慎介だが、以前の自分が何を考えて行動していたのか、思い出せない。
しかも、関係者が徐々に怪しい動きを見せ始める……。

***

記憶喪失ものは作者のさじ加減ひとつで主人公に重大なことを思い出させたり
忘れたままでいさせたりすることができるのであんまり好きじゃないんですが、
東野氏なら。。。と期待しつつ読んでみた一作。

やっぱりご都合主義だった。


それ以前に主人公の性格がどうやっても好きになれない。
特に女性が読んだら相当ムカつくキャラです、この雨村慎介という男は。
読み進めるごとにバッドエンドを半ば無意識に願っている自分がいたし笑(まあ、ある意味
バッドエンドかもですが)

内容も、かなり早い段階でラスボスがわかってしまうので興醒め。
しかもミステリなのに中盤ぐらいまで主人公と女の執拗な官能シーンばっかりで
ミステリ要素ほとんどなくてかなりダレた。
文章も同じ表現が何度も出てきたり、伏線なんて全然ないまま唐突に真相が飛び出したりと
東野氏はやっつけでこれを書いているとしか思えず(まあ、最後の一つは
もともと彼の作風はそんな感じだといってしまえばそれまでですが)。
クライマックスは「貞子?!」と思わず心中で叫んでしまったし。
これでラストで〝彼〟があんなことさえしなければ、完全にリングとかぶってたな(〝呪いの伝播〟、
という点で)。

本作もまあまあ楽しめますが、似たテーマの小説なら
↓に収録されている短編のほうが面白いです(ただし恋愛要素が強いので、その手の話に
アレルギーがある人には×)。



それにしても人間の脳というのは不思議だよなあ、改めて。
主人公も、彼女も、彼も、脳に無意識にコントロールされてしまって。
ある意味これは〝人間の脳と精神〟にまつわる物語だったと思う。
そういうものに興味のある方は是非どうぞ。

mane.jpg








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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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