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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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今はただ、走り続けろ。



2年前に自殺した腹違いの兄の墓参りをするため、避け続けてきた故郷に
12年ぶりに帰ってきた綾乃。兄は高校時代の親友・日南子の恋人でもあった。
翌日、綾乃は、顔を見る気もなかった父の前に引っ張りだされる。そ
こで聞かされたのは、驚愕のセリフ――私の議席は、お前が継げ!
綾乃にはまったくそのつもりはない。だが、その夜、事件は起きた。

綾乃は、幼馴染にして今は地元を牛耳る暴力団の組長・天堂に紹介された
女ヤクザ・穂波とともに、兄の死の真相を探るため、街を疾走しはじめる。

***

知人の作家さんの最新作。
今までの氏の作品の中で一番面白かった。
こう言ったら失礼かも知れないけど、
牧村作品の登場人物たちはどこか台詞が舞台的というか
それが個性といえば個性なのだろうけど自然さがない感じがあったのだけど、
今回はそういったこともなく人物たちの会話もテンポがよくて面白くて深みがあって、
展開もスピーディなので飽きることなく読むことが出来た。
私は個人的にはハードボイルドは苦手なのだけど
本作はそこまでコテコテのハードボイルドではないので
作品世界にも入りやすかった。
友人や親子の絆といったものも謎やアクションの中に無理なく盛り込まれていて、
いろいろな意味で物語を楽しむことが出来た。

ただひとつ残念だったのは、
既に逝去した人間ではあるものの物語の核となる人物、
ヒロインの綾乃の兄・直樹のエピソードが少なかったこと。
彼についての描写がもう少しあれば、内容にもっと謎の気配が満ちて
ラストで明かされるある真実にももっと驚くことが出来たのに、と思う。
読者としては彼のことをもっと知りたかった。

。。。と書いてはみたものの全体には非常に良作です。
牧村氏は、偉そうなことを言わせてもらえば書くたびに格段にうまくなっていっている
作家さんなので、今後にも期待。

おすすめです。

追記:
牧村氏曰く、本書は「ブラまよ」と略すそうです笑
確かにそうだ笑
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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