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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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降り注ぐすべての痛みが、彼女への祈りだった。



そして悲劇は舞い降りる。
舞原吐季と千桜緑葉、心を通い合わせた二人だったが、
両家の忌まわしき因縁と暴いてしまった血の罪が、すべての愛を引き裂いてしまう。
彼女に心を許さなければ、眩暈がするほどの絶望も、
逃げられやしない孤独な永遠も経験することなどなかったのに。
琴弾麗羅の『告別』が、
桜塚歩夢の『断罪』が、
千桜緑葉の『愛情』が、
舞原吐季の人生を『残酷』な未来へと導いていく。
現代のロミオとジュリエット、絶望と永遠の最終幕。

***

〝ノーブルチルドレン〟シリーズ、四冊目にして最終巻。
いやそれにしても、
セカチュー(古いか)なんて足元にも及ばない純愛ストーリーになったなあ
このシリーズは。。。
最初のころはちょっとしたミステリの要素を呈していたけれど、
次第にキャラクターたちの人間模様を浮き彫りにしていく趣向に変わった。
でも本作の著者は琴線に触れる言葉をたくさん持ったひとなので、
読むたびに涙が出そうになり、また勇気づけられるフレーズをたくさんもらった。

本巻では時間軸が一気に進み、
主人公たちが36歳になるまでが描かれているけれど、
大人びた思考を得つつも根本的には変わらないキャラクターたちに
「ああ、自分もこのまま大人になっていいんだな」と安心感のようなものを得られたり。
そして唯一、その強さも可愛らしさも奇矯さも微塵も変わらないヒロイン・緑葉に
「あなたは素敵だ」と拍手を贈りたい気持ちにもなったり。

そして最終章のワカマツカオリさんのイラストにはやられた。
見ているだけで涙が出そうになった。

女性が男性より強くなっている昨今だけど、
どうせなら女性はここまで、緑葉ぐらいまで、強くなるべきだと思う。
男を幸せに出来る女、それって何て格好いいことだろう。
自分も彼女のようになりたい、と思った。

ちなみに本シリーズは、同著者の〝花鳥風月シリーズ〟の続編にあたるシリーズなので
そちらを読んでから読むほうがより楽しめます。

素敵な物語をありがとう、綾崎さん。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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