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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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「Fuck it(くそくらえ)だな」



作詞家が中毒死。彼の紅茶から青酸カリが検出された。どうしてカップに毒が?
表題作「ロシア紅茶の謎」を含む粒ぞろいの本格ミステリ6篇。
エラリー・クイーンのひそみに倣った「国名シリーズ」第一作品集。
奇怪な暗号、消えた殺人犯人に
犯罪臨床学者・火村英生とミステリ作家・有栖川有栖の絶妙コンビが挑む。 

★収録作品★

 動物園の暗号
 屋根裏の散歩者
 赤い稲妻
 ルーンの導き
 ロシア紅茶の謎
 八角形の罠

***

文章表現も全体の構成もベテラン作家さんだけあって見事のひと言なのですが、
短編のほとんどが暗号ネタなのはちょっと食傷気味だった気が。
かといって暗号の登場しない表題作〝ロシア紅茶の謎〟も、
殺人トリックにどうもリアリティを感じられなくて面白いと思えなかったし(そこまで
手の込んだことしなくてももっと簡単で確実な殺害方法があるのでは?と)。

個人的に一番面白く読めたのは〝屋根裏の散歩者〟。
〝動物園の暗号〟も謎解きパートは非常にスピード感があって読んでいて楽しかったのですが、
あのトリックはその道のマニアじゃなきゃとてもじゃないけどわからないだろ(マニアでも
この短編が発表された当時と今じゃ状況が大きく変わっているので難易度高いんじゃないかと思う)。

有栖川氏の短編を読んだのはこれが初めてなのですが、
やっぱりこの人は長編向きの作家さんな気がする。
文章がうますぎるが故に落ち着きすぎていて、短編ならではのキレがあまり感じられないんだよな。
ってたった一作で決め付けるのもなんだし火村助教授は大好きなので後続シリーズも読みますが。

佳作ではあるので、暗号好きの人にはおすすめです。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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