日本人って、やっぱり変わってる――。
留学生リリー・メイスは、日本で不思議な風習を目にした。
建築物を造る際、安全を祈念して人間を生きたまま閉じ込めるというのだ。
彼ら「人柱」は、工事が終わるまで中でじっと過ごし、終われば出てきてまた別の場所に籠る。
ところが、工事が終わって中に入ってみると、そこには知らない人間のミイラが横たわっていた――。
★収録作品★
人柱はミイラと出会う
黒衣は議場から消える
お歯黒は独身に似合わない
厄年は怪我に注意
鷹は大空に舞う
ミョウガは心に効くクスリ
参勤交代は知事の務め
***
まず言っておきたいこと。
この物語の舞台は、現実とは似て非なる、謂わばパラレルワールドの日本。
まずそれをしっかりわかった上で読んでください。
本作に出てくる数々の〝風習〟が本当に日本にあったら、リリーじゃなくても眼を剥いて驚きます。
しかしバカな私は一話目の時点で「へ~! そんなこと実際にあんのか~!」と本気で信じ込み
一人勝手に恥をかきました(まあ私みたいなのはあまりいないでしょうが。。。)。
登場人物の価値観がズレてて読んでいてなんか違和感がある、
大したことない人物が過剰に持ち上げて描かれていて妙にイラつく、
真相にたどり着くまでの過程が不自然で思わず異議を申し立てたくなる、
石持浅海氏の小説は読むたびにそういったもろもろがハナについて仕方ないのですが、
設定が面白いし時に傑作が混じっていたりするのでついつい手にとってしまう。
でも本作は私的にはハズレだったな。。。あまりに突っ込みどころが多すぎた。
たとえば自宅に送られてきた爆弾かもしれない宅配便に対する探偵役の台詞、
「トラックに揺られても受け取ったあと一度ドサっと下に置いても爆発しなかったから大丈夫」
ってオイそんなわけねーだろそもそもその程度で爆発してたら標的の手元に届かないだろうがと。
〝人柱〟という職務を放棄して逃げた同僚に
「金を盗み出すためにいったん職場から逃げ出したのはいい、でもなんですぐ戻ってこなかった。
俺にはそれが許せない」
金盗んでとんずらするような不貞の輩に神聖な〝人柱〟をやらせることに対してはお咎めなしかと。
どの道神罰が下ってたんじゃないんかいと。
ある老人の登場シーンなんか、
老人――そういっていい外見だ。(って表現するってことはせいぜい六十過ぎぐらいかな?)
それも相当の高齢。(え? それって〝いっていい〟どころじゃないし。じゃあ八十半ばとか?)
すでに七十を過ぎているように見えた。(別に相当の高齢じゃねえー!)
もう突っ込みオンパレード。。。
しかも一つ一つの短編のトリックと真相もかなりこじつけ入ってて不自然で、これもまた
突っ込みどころ満載。
とってつけたラブストーリーも違和感ありありで正直ムダな要素。
著者が主人公の青年を描写するのに〝透明〟という単語を使いすぎなのも鬱陶しいし。
石持作品にここまでケチをつけたくなったのは
〝BG、あるいは死せるカイニス〟を読んだとき以来だな。
ほんと、着眼点はいいのになあこの作家さんは。。。
(そのあたりある意味山田○介と近いかも? ってさすがにあれと一緒にしちゃ失礼か。。。)
おすすめしません。
でも読み捨ては悔しいのでこうやってレビュー。
留学生リリー・メイスは、日本で不思議な風習を目にした。
建築物を造る際、安全を祈念して人間を生きたまま閉じ込めるというのだ。
彼ら「人柱」は、工事が終わるまで中でじっと過ごし、終われば出てきてまた別の場所に籠る。
ところが、工事が終わって中に入ってみると、そこには知らない人間のミイラが横たわっていた――。
★収録作品★
人柱はミイラと出会う
黒衣は議場から消える
お歯黒は独身に似合わない
厄年は怪我に注意
鷹は大空に舞う
ミョウガは心に効くクスリ
参勤交代は知事の務め
***
まず言っておきたいこと。
この物語の舞台は、現実とは似て非なる、謂わばパラレルワールドの日本。
まずそれをしっかりわかった上で読んでください。
本作に出てくる数々の〝風習〟が本当に日本にあったら、リリーじゃなくても眼を剥いて驚きます。
しかしバカな私は一話目の時点で「へ~! そんなこと実際にあんのか~!」と本気で信じ込み
一人勝手に恥をかきました(まあ私みたいなのはあまりいないでしょうが。。。)。
登場人物の価値観がズレてて読んでいてなんか違和感がある、
大したことない人物が過剰に持ち上げて描かれていて妙にイラつく、
真相にたどり着くまでの過程が不自然で思わず異議を申し立てたくなる、
石持浅海氏の小説は読むたびにそういったもろもろがハナについて仕方ないのですが、
設定が面白いし時に傑作が混じっていたりするのでついつい手にとってしまう。
でも本作は私的にはハズレだったな。。。あまりに突っ込みどころが多すぎた。
たとえば自宅に送られてきた爆弾かもしれない宅配便に対する探偵役の台詞、
「トラックに揺られても受け取ったあと一度ドサっと下に置いても爆発しなかったから大丈夫」
ってオイそんなわけねーだろそもそもその程度で爆発してたら標的の手元に届かないだろうがと。
〝人柱〟という職務を放棄して逃げた同僚に
「金を盗み出すためにいったん職場から逃げ出したのはいい、でもなんですぐ戻ってこなかった。
俺にはそれが許せない」
金盗んでとんずらするような不貞の輩に神聖な〝人柱〟をやらせることに対してはお咎めなしかと。
どの道神罰が下ってたんじゃないんかいと。
ある老人の登場シーンなんか、
老人――そういっていい外見だ。(って表現するってことはせいぜい六十過ぎぐらいかな?)
それも相当の高齢。(え? それって〝いっていい〟どころじゃないし。じゃあ八十半ばとか?)
すでに七十を過ぎているように見えた。(別に相当の高齢じゃねえー!)
もう突っ込みオンパレード。。。
しかも一つ一つの短編のトリックと真相もかなりこじつけ入ってて不自然で、これもまた
突っ込みどころ満載。
とってつけたラブストーリーも違和感ありありで正直ムダな要素。
著者が主人公の青年を描写するのに〝透明〟という単語を使いすぎなのも鬱陶しいし。
石持作品にここまでケチをつけたくなったのは
〝BG、あるいは死せるカイニス〟を読んだとき以来だな。
ほんと、着眼点はいいのになあこの作家さんは。。。
(そのあたりある意味山田○介と近いかも? ってさすがにあれと一緒にしちゃ失礼か。。。)
おすすめしません。
でも読み捨ては悔しいのでこうやってレビュー。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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