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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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「人間なんて、何を理由に歌い、何を理由に人を殺すか、わからないものだよ」



密室に残されていたのは斬首死体と伝説のロシア人形。
物理トリックの名手・北山猛邦が放つ本格ミステリ!
人形塚に残されていた「Help」という文字を書く書記人形と女性写真。
この謎に迫るため探偵の幕辺(まくべ)と学生の頼科(よりしな)は人形の出所『ギロチン城』へ。
密室で起きた城主斬首殺人事件という過去、外界を拒絶した構造、多くの処刑具、
過剰なセキュリティが存在するこの異様な館で2人を待ち受けていたのは新たな密室殺人!
物理トリックの名手・北山猛邦の<城>シリーズ第4弾!! 

***

大好きな作家さんです。
理系バリバリの物理トリックは文系の自分にはとうてい書けないので憧れる。

ただ、今回はトリックが少々ややこしく読んでいてすぐに反応することができなかった。
「うぉ~そうだったのかあ!」と驚くまでにタイムラグが発生してしまい前著に比べ爽快感がなかった。
いや、トリック自体はいたってシンプルなのですが、それを〝文章〟という、
受け手が自分で想像するしかない手段で表現しているものだから把握しがたい。
要するに今回は、トリックと〝小説〟という表現手段の相性が悪い。
これが映画や漫画だったらそりゃもうダイナミックかつわかりやすかっただろうになー。
(蛇足ですが本作は島田荘司氏ファンの人と相性がいいんじゃないかと思う。
物語の雰囲気や組み立て方が後期御手洗シリーズとちょっと似てるし)

登場人物の個性はシリーズ中一番弱め。なので感情移入も難しく事件そのものも地味で
あまり入り込めなかった(やはり私の中のNo.1は〝『瑠璃城』殺人事件〟です。あれは別格)。
ただ、凛としつつもどこか悲しさの漂う幻想的なラストシーンは、
非常に美しく思わず「見入って」しまいましたが。
メインキャラ二人の片方の過去がさらりと明かされるというサプライズもいい感じ。

『ギロチン~』というタイトルだけ見るとどうにもとんでもない印象ですが、
北山氏の作風はかなりロマンチックだったりするので(読んでて恥かしくなるような〝〟が
本作にも随所に見られます@)、女性にも割とおすすめ。

『Help』(助けて)
『Promise』(必ず)
いいやり取りだ~。。。 ・:*:・(*´∀`*)ウットリ←恋愛小説嫌いの私も若干ヤラれ気味
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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