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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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殺すために。



10年前、遠足で女子高生30名と教員を乗せたバスが、忽然と姿を消した。
「某国による拉致」「UFOの仕業」など様々な噂も流れたが、結局手がかりも見つからないまま
「平成最大のミステリー」として現在に至っている。
この怪事件によって姪を失った刑事・奈良橋は、独自に調査を続けていた。
そんな彼は、管轄内で起きた「作家宅放火殺人事件」を担当することになり……。

***

これまでの七尾作品を読んでいても思うことだけど、
これだけ大人数が出てくる物語をきれいにまとめてしまえる手腕には脱帽。
一つひとつのエピソードが興味深くて印象に残るので混乱するということがないし。
一歩間違えばギャグになってしまう物語を、(いい意味での)バカミスに昇華し得る筆力にも感嘆。

ただひとつ不満を言うなら、〝殺戮ガール〟が悪に徹し切れてなかったことかな。
寝言の内容で「あれ、彼女そこまで悪いひとでもないんじゃ。。。?」と思えてしまうのですが
彼女にはもっと徹底した悪役を貫いてほしかった。だって絶対悪ってぐらいだし。
そしたら「誰もが爆笑する漫才が出来る」という設定とのギャップがもっと映えるのではと
個人的には思った。

後味はあまりよくないですが、面白かった。
七尾氏は小説教室の先輩でもあるのですが本当に文章や構成がうまくて(プロなんだから
当たり前だと言われてしまうかも知れませんが)学ぶところが多いです。
これからも活躍してほしい。

おすすめ。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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