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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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そうしていくうちに、見えてくるものもあるだろう。



コードネーム『久米』『輪島』『宮古』のテロリスト三人。
彼らは一般人の仮面をかぶりながら、政府転覆をめざすテロ組織の一員である。
組織は、暴力や流血によらない方法で現政府への不信感を国民に抱かせようとしていた。
彼らに下された任務は、組織が用意したレモン三個をスーパーのレモン売り場に置いてくるなど、
一見奇妙なものであった。
任務の真の目的とは何か。
優秀な三人の遂行ぶりが引き起こす思わぬ結果とは。
テロ組織の正体は。
そして彼らの運命を翻弄していく第四の人物の正体は――。

***

全三部からなる本作。
個人的には、一部のあとに三人の主人公をもっと掘り下げた物語を入れて、
二部をラストにして「その後のことは読者の想像にまかせるよ」的なオチにしたほうが
よかったのではと思う。

というか本作に出てくるテロを実際にやったら
誰もテロとは気づかないと思う、正直。
今の世知辛い世の中を変えたいという信念のもとに結成された組織なら、
その信念というものをもっとリアルに書き込んでほしかった。
(一番ラストにちょこっとそれらしき思想が出てくるだけだし。
それも個人的には賛同出来るけど、こんなしょぼいテロで達成出来るものでは到底ないし)

終わり方を多少衝撃的にしたのも、ちょっと唐突感があって蛇足に感じた。
読者を驚かせればいいってものでもないだろ。。。
自制心が人一倍利くはずのテロリストがたかが恋愛(とも呼べるかどうか。。。)で
容易に感情的になってしまうのもどうかなと。

と、相変わらず突っ込みポイント満載の石持作品ではありますが、
それなりには楽しめたかな。
推理パートが〝心臓と左手〟、オチが〝月の扉〟とかぶってたので
次回作はかぶらないものを書いてほしい。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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