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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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フー・イズ・イット。それは誰?



類人猿の言語能力を研究し、チンパンジーと人間を同列に扱うことを主張する学者・井手元。
大学を辞め、チンパンジーと隠遁生活を送っていた彼が失踪。
残されたチンパンジーが示唆したのは、残酷な結末だった――。
ヒトとサルの境界はどこか、聖域を越えた研究の果てに真理はあるのか。
哀切かつ危険なラストまで二転三転、人類のアイデンティティをゆるがし、
新世紀へ跳躍する問題作。

***

二転三転する展開。。。といえば〝息をもつかせぬ面白さ〟といった感がありますが、
本作はたとえるなら
〝人に道を訊いて言われたとおりに行ってみたら間違ってて
そこにいた別の人に訊いたら行った先がまた間違いで。。。〟
の繰り返し、という意味での二転三転なので読んでいてストレスが溜まることしきり。
要するに
真相解明→実はそれは真相じゃなかった
新たなる真相→それもやっぱり真相じゃなかった
の連発でかなりイライラさせられるのです。
(もちろんそういうつくりのミステリでも十分に面白いものはありますが、
本作はその見せ方が下手で、突き当たりの多い長い迷路を延々歩かされている気がした)

動物行動学や大脳生理学、遺伝子工学のうんちくは興味深く読めましたが、
物語としては起承転結に乏しく、〝事件の謎はチンパンジーだけが握っている〟という
せっかく面白いテーマを扱っているにも関わらず当のチンパンジーがあまり活躍せず、
ラストも「ああそう」といった感じ。

チンパンジーと人間のあいの子の名称が〝チンパースン〟という脱力するような名前なのも
物語から緊迫感を奪っていた気がしないでもない。
まだ〝ヒューマンジー〟のほうが格好いいだろ。

殺人の真相なんて二時間ドラマ並みだし。

あまりおすすめしません。
同じテーマのミステリならまだ荻原浩氏の〝さよならバースディ〟のほうが読めます。

oliver.jpg











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猿の証言/北川歩実 
激しく同意しました ^^;
NONAME 2010/11/13(Sat)14:40:30 EDIT
猿の証言/北川歩実 
コメントありがとうございます。
あはは、やっぱりそう思いますよね。。。^^;
fv 2010/11/13(Sat)18:03:52 EDIT
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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