忍者ブログ
読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
[484]  [482]  [471]  [481]  [485]  [477]  [469]  [474]  [472]  [470]  [473
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ごちゃごちゃのがちゃがちゃ。
何でもありで誰でもカモン。
ただし、何が出るかはあんた次第。




街頭ティッシュ配り、カラオケボックスの店員、見習い美容師、屋台のサンドイッチ屋に
お笑い芸人の卵…横浜駅西口繁華街・ビブレ前広場には、さまざまな人が行き交い、出会う。
ささいなトラブルは起きても、刺激的で熱気に溢れた空間として愛されている。
近頃、“住人”たちが夢中なのは「パニッシャー」と呼ばれるプチ・テロリストの噂。さらに、
広場での日常の根本を揺るがす大問題が勃発した…。
自分たちの居場所を守るため、若者たちが立ち上がる。
とびきりクールでちょっぴりトホホな若者たちが突っ走る…いまが“旬”の青春群像ミステリー。

★収録作品★

 女王様、どうよ?
 OTL 
 ブリンカー
 一名様、二時間六百円 
 走れ空気椅子 
 ヨコハマフィスト

***

ほかのものを貶めて代わりに自分のご贔屓を持ち上げる、そんな
天秤方式な褒め方はしたくないんですが、
最近続々映画化されている伊坂幸太郎氏の作品よりも
本作が映画化されたほうがよっぽどいいものに仕上がると思う。
だから売れっ子作家の作品だけを片っ端から映画化するんじゃなく、
ちゃんと中身を読んでみてから決めてくださいよ映画関係者さん←語りかけてみる。

と言いたくなるほど、本作はかなりクオリティが高い。
加藤実秋氏の著作はすべて読んでいるけど、これがおそらく今までの中で一番の最高傑作。
ライトな文体とキャラの軽いノリに隠れて一見気づきにくいけれど、
この著者は相当の実力の持ち主だと思う。
構成力、表現力、人物造形にストーリーテリング力、すべてがずば抜けている。
ミステリというジャンルで括るにはちょっと推理要素が弱いものの、
それ以外の部分で非常に魅せてくれるのでかなり楽しく読める。ささいな真相にも胸をうたれる。
すっきりしたり
じんわりしたり
ほのぼのしたり
爆笑したり、
本作にはこの世のプラスの感情がたくさん散りばめられている。
そして最終話の、思わず叫びだしたくなる爽快感。あの臨場感。
読んでいて「気持ちいい」と思える小説に出会えたのは久しぶりかも。

あー横浜ビブレの近くに住んでる人が羨ましい。
この著者はほんと、ひとつの街を自分の筆で輝かせるのがうまい人だよな。
今度うちの街を舞台に書いてください。

超おすすめの一冊です。



vivre.jpg








横浜・ビブレ前広場。イキタイヨ~
PR
この記事へのコメント
name
title
color
mail
URL
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

secret(※チェックを入れると管理者へのみの表示となります。)
この記事へのトラックバック
TrackbackURL:
プロフィール
HN:
kovo
性別:
女性
自己紹介:
80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
アーカイブ
フリーエリア
最新コメント
最新トラックバック
バーコード
ブログ内検索
Copyright © 【イタクカシカムイ -言霊- 】 All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  Material by ラッチェ Template by Kaie
忍者ブログ [PR]