「あなどれないぞ、平成のじじいのテンションは」
映画の撮影現場で主演老優の一挙手一投足を賭けの対象にする共演者たち――
話題作〝クワイエットルームにようこそ〟から四年、現代演劇の鬼才が、
人間の悪意と尊厳をユーモアとアイロニーに包んで描ききる問題作。
***
〝クワイエットルームにようこそ〟が傑作すぎたせいか、
どうしても凡作の粋を出ない印象だった。
語り口、
キャラ立ち、
物語の深み、
どれをとっても前作には遠く及ばず。
唯一勝っているものといえば笑いの部分ぐらいですが、それも数箇所ぐらいだし。
不謹慎ギリギリの題材をギリギリ寸止めで不快感を与えずユーモラスな作品に仕上げる、
前作はそれに成功しているものの、今回は「いくら何でもちょっと大人げなくない?」と
読んでいて微妙に嫌な気持ちに。
本作を通して何を言いたいのかも一応はわかったものの、「んー、だから?」といった感じで
これならいっそ「何が言いたいのかわからなかった」オチのほうがまだましだった気が。
主人公も、序盤の数行からもう眼が離せなくなるぐらいこちらを惹き込んでくるくせに
それ以降はただの語り部、無個性、いないも同然。
せっかくの顔立ちや体格の設定もほとんど活かされてないし残念だった。
(設定といえば、セカンドバッグとか「がちょーん」とか、この物語の時代設定はいつなんだ?)
演劇界に携わっている著者だからこそ描ける役者世界の裏側は
興味深く読めましたが。
ていうか練習しちゃったよ、あの早口言葉(そして言えない。。。)。
ところで作中の登場人物の海って女の子、明らかに絢香(歌手の)がモデルな気が。。。
映画の撮影現場で主演老優の一挙手一投足を賭けの対象にする共演者たち――
話題作〝クワイエットルームにようこそ〟から四年、現代演劇の鬼才が、
人間の悪意と尊厳をユーモアとアイロニーに包んで描ききる問題作。
***
〝クワイエットルームにようこそ〟が傑作すぎたせいか、
どうしても凡作の粋を出ない印象だった。
語り口、
キャラ立ち、
物語の深み、
どれをとっても前作には遠く及ばず。
唯一勝っているものといえば笑いの部分ぐらいですが、それも数箇所ぐらいだし。
不謹慎ギリギリの題材をギリギリ寸止めで不快感を与えずユーモラスな作品に仕上げる、
前作はそれに成功しているものの、今回は「いくら何でもちょっと大人げなくない?」と
読んでいて微妙に嫌な気持ちに。
本作を通して何を言いたいのかも一応はわかったものの、「んー、だから?」といった感じで
これならいっそ「何が言いたいのかわからなかった」オチのほうがまだましだった気が。
主人公も、序盤の数行からもう眼が離せなくなるぐらいこちらを惹き込んでくるくせに
それ以降はただの語り部、無個性、いないも同然。
せっかくの顔立ちや体格の設定もほとんど活かされてないし残念だった。
(設定といえば、セカンドバッグとか「がちょーん」とか、この物語の時代設定はいつなんだ?)
演劇界に携わっている著者だからこそ描ける役者世界の裏側は
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ていうか練習しちゃったよ、あの早口言葉(そして言えない。。。)。
ところで作中の登場人物の海って女の子、明らかに絢香(歌手の)がモデルな気が。。。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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