魂が、戻って来ている――。
亡き妻に謝罪したい――引退した不動産業者・方城兵馬の願いを叶えるため、
長男の直嗣が連れてきたのは霊媒だった。
インチキを暴こうとする超常現象の研究者までが方城家を訪れ騒然とするなか、
密室状況下で兵馬が撲殺される。
霊媒は悪霊の仕業と主張、かくて行なわれた調伏のための降霊会で第二の惨劇が起こる。
名探偵・猫丸先輩登場!
***
いわく本格推理小説というジャンルにおいて、読者は事件が展開していく間中ずっと
「早く出てこい、早く出てこい」と名探偵の登場を心待ちにし、いざ現れようものなら
「キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!」
と大歓喜するものですが、私の中でその興奮が一番強いのが本作の探偵・
猫丸先輩(本名不明)。
奇人で弁が立つ、というところは既存の名探偵と同じなのですが、
妙な愛嬌やマヌケな一面もあるところが一味違ってかなり魅力的。
短編でももちろんその魅力は健在なのですが、シリーズ初長編である本作は
そんな彼の魅力が数割増しで読み応え十分の一作に仕上がっています。
実はこの作品を読むのはこれで二度目なのですが、
やっぱり本当に面白いものは何度読んでも面白い。
一人ひとりのキャラ立ちが非常にしっかりしていて臨場感があり、
トリックや犯人も見破りづらい。
良質のマジックでも見せられているかのような高揚を、
読んでいる間ずっと感じていました。
ただ、首にナイフを突き立てられて死んだ某登場人物のあの死に様。。。
もしあの状態で首にナイフが刺さったのなら、テーブルの上に仰向けにひっくり返った状態で
死んでいると思うのですが。。。それだけがどうにも腑に落ちず。
それと、眼の見えない左枝子の勘違いを正すのも気の毒だからと黙っていた
大学院助手コンビ。。。親切なつもりかもしれないけど、バレるのは時間の問題なんだし
後になって真相に気づいたほうが左枝子もショックが大きいと思うんだけど。
トリックのために不可欠だったとはいえ、これが小説であることを無視して言わせてもらえば
〝小さな親切大きなお世話〟の王道だよなあ、この要らない気遣いは。。。
まあ、左枝子の一人称パートでの語りがポエム過ぎてサムいので(&多少イラっとくるので)
こいつなら別にいっか、と邪悪なことを考えてしまいましたが。
左枝子といえば、人間いくら眼が見える人と見えない人で相手に抱く印象に差があるとはいえ
左枝子の感じる助手コンビへの印象のほかの皆との正反対っぷりはあまりにアンフェア
だよなー。本作においてこれだけは悪い意味で「騙された!」と思った。
でも非常におすすめの一冊です。
亡き妻に謝罪したい――引退した不動産業者・方城兵馬の願いを叶えるため、
長男の直嗣が連れてきたのは霊媒だった。
インチキを暴こうとする超常現象の研究者までが方城家を訪れ騒然とするなか、
密室状況下で兵馬が撲殺される。
霊媒は悪霊の仕業と主張、かくて行なわれた調伏のための降霊会で第二の惨劇が起こる。
名探偵・猫丸先輩登場!
***
いわく本格推理小説というジャンルにおいて、読者は事件が展開していく間中ずっと
「早く出てこい、早く出てこい」と名探偵の登場を心待ちにし、いざ現れようものなら
「キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!」
と大歓喜するものですが、私の中でその興奮が一番強いのが本作の探偵・
猫丸先輩(本名不明)。
奇人で弁が立つ、というところは既存の名探偵と同じなのですが、
妙な愛嬌やマヌケな一面もあるところが一味違ってかなり魅力的。
短編でももちろんその魅力は健在なのですが、シリーズ初長編である本作は
そんな彼の魅力が数割増しで読み応え十分の一作に仕上がっています。
実はこの作品を読むのはこれで二度目なのですが、
やっぱり本当に面白いものは何度読んでも面白い。
一人ひとりのキャラ立ちが非常にしっかりしていて臨場感があり、
トリックや犯人も見破りづらい。
良質のマジックでも見せられているかのような高揚を、
読んでいる間ずっと感じていました。
ただ、首にナイフを突き立てられて死んだ某登場人物のあの死に様。。。
もしあの状態で首にナイフが刺さったのなら、テーブルの上に仰向けにひっくり返った状態で
死んでいると思うのですが。。。それだけがどうにも腑に落ちず。
それと、眼の見えない左枝子の勘違いを正すのも気の毒だからと黙っていた
大学院助手コンビ。。。親切なつもりかもしれないけど、バレるのは時間の問題なんだし
後になって真相に気づいたほうが左枝子もショックが大きいと思うんだけど。
トリックのために不可欠だったとはいえ、これが小説であることを無視して言わせてもらえば
〝小さな親切大きなお世話〟の王道だよなあ、この要らない気遣いは。。。
まあ、左枝子の一人称パートでの語りがポエム過ぎてサムいので(&多少イラっとくるので)
こいつなら別にいっか、と邪悪なことを考えてしまいましたが。
左枝子といえば、人間いくら眼が見える人と見えない人で相手に抱く印象に差があるとはいえ
左枝子の感じる助手コンビへの印象のほかの皆との正反対っぷりはあまりにアンフェア
だよなー。本作においてこれだけは悪い意味で「騙された!」と思った。
でも非常におすすめの一冊です。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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