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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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その時、僕は心の位置を知った。



村中から忌み嫌われる転校生、舞原陽凪乃。
焦げるような陽射しの下で彼女と心を通わせた響野一颯は、
何を犠牲にしてでもその未来を守ると誓うのだが…。
時は流れ、大学生になった一颯は、
離れ離れになった彼女の想い出を片隅に残しつつ嶌本和奏と交際を始める。
かけがえのない歳月が流れ和奏と共に生きる決意を固めた一颯だったが、
ある日、音信不通だった“彼女”が約束通り現れて…。
今そこにある愛と、忘れられるはずもなかった愛。
『太陽』の恋愛ミステリー。

***

読み始めてしばらくしてから
「まさか○○なんて陳腐なオチじゃないだろうな。。。
それだけは勘弁してくれよ。。。」
と危惧を抱き悪い意味でハラハラしながら読み進めることしばらく、
予感は的中。
「うわーこんな中学生の妄想みたいなオチがほんとに来るとは!」
と、ずっと好きだった綾崎隼さんの才能を疑ったものですが。。。
大丈夫だった。最後の最後にちゃんとひとひねりあった。
そりゃそんな子供でも考え付くような結末をプロが書くわけないものな、
とひと安心。
そして主人公の恋人・和奏のあまりにも一途な恋心にほろっときた。
好きな相手の欠点を受け止めるのってその欠点が大きいもので
あればあるほど困難で、
好きな相手の幸せを自分の幸せ以上に大事にするのはもっともっと
難しいことだと思うけど、
そのどちらも軽々とこなしちゃうんだもんなあ、和奏。
こんな女性になりたいし、こんな女性になってしまうほど
強く想える相手がほしい、と願わずにいられません。

主人公が罹った病気についてはちょっと作中での扱いが雑で
どうかと思ったけど、あの病気についてラノベでくどくどしく書かれても
読者が戸惑うだけだと思うので、まあよしとするかな。。。

ちなみにあとがきで著者の綾崎氏が
「僕の読者にはこういうひとが多い」と書いていたのが
まんま私のことだったのでぎくりとしました。
でも今回は、騙されてたまるか騙されてたまるかと気を付け過ぎた結果
逆に見事に騙されたな。

花鳥風月シリーズの中では一番シンプル、悪く言えば地味な物語だけど、
最後の二行にはやられました。
ひとを愛し続けるには生半可じゃない覚悟が必要。
これは、その覚悟を決めた人間たちの物語です。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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