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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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無事でいてくれさえすれば。



少年が抱える切ない空想、曼珠沙華が語る夫の過去。
老夫婦に届いた 絵葉書の謎、少女が見る奇妙なサソリの夢。
姉弟の哀しみを知る月の兎、 製鏡所の娘が願う亡き人との再会。

ほんの小さな行為で、世界は変わってしまった。それでもーー。
六つの世界が呼応し合い、眩しく美しい光を放つ。
まだ誰も見たことのない群像劇。

★収録作品★

 やさしい風の道
 きえない花の声
 たゆたう海の月
 つめたい夏の針
 かそけき星の影
 鏡の花
 
***

連作短編集。
登場人物は同じなのですが、
各話ごとにそのうちの誰かが死んで「いない」ものになっています。
そのひとが「いない」世界はどうなっているか、というのが
話ごとに描かれています。非常に切ない。中でも
〝きえない花の声〟と〝たゆたう海の月〟は
やるせないほど切ない。誰かを想ってした行為が悲しみを呼び寄せてしまう、
そんな物語があまりに痛くて、読み終えたあと閉じた本書を
固く掴んだまま何かを堪えるように歯を食いしばってしまったほど。
だからこそ最終話〝鏡の花〟がとても眩しく感じられるのですが。

鏡はちょっとでも角度を変えるとそこに映るものをがらりと変えてしまう。
世界がいともたやすく反転してしまう。幸せだったことが不幸になる。
でも、不幸だった物事を幸せに転じもする。

おすすめです。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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