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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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私はここで、生きていく。



直木賞受賞、第一作
待望の書き下ろし長編

母と祖母の女三代で暮らす、伸びやかな少女、朱里。
美人で気が強く、どこか醒めた網元の一人娘、衣花。
父のロハスに巻き込まれ、東京から連れてこられた源樹。
熱心な演劇部員なのに、思うように練習に出られない新。
島に高校がないため、4人はフェリーで本土に通う。
「幻の脚本」の謎、未婚の母の涙、
Iターン青年の後悔、 島を背負う大人たちの覚悟、そして、自らの淡い恋心。
故郷を巣立つ前に知った大切なこと――すべてが詰まった傑作書き下ろし長編。

***

冒頭に掲げた〝私はここで、生きていく〟。。。この台詞、
よしもとばななさんの〝TUGUMI〟でもほぼまったくおなじ台詞が
出てくるんだよな。。。
そういうもろもろもあり、既視感の拭えない、
正直言って辻村深月大大大ファンの私が唯一「面白くない」と
思ってしまった作品だった。
冴島という島の文化や慣習、そういうものの細かな書き込みは
よく調べてあってすごいと思うけど、正直興味を惹かれない。
それよりも辻村ファンが求めているのは、彼女ならではの
心理描写だったり独特な物語展開だったりすると思うし。
よく言えば丁寧、でも悪く言えば地味な物語展開は、
ページを繰る手を否応なしに鈍らせた。
ラストも、「え、なんで衣花がいきなりこんななってんの?
ご都合主義すぎない?」とその現実味のなさに感動するより先に
呆れたし。
これまでの作品は、物語より先に文章を読むだけで、
「ああ、深月さんだ」って気付けたのに本作は個性が掻き消えていて
凡庸な筆致になってしまってもいる。
あまり言いたくないけど辻村さんは、出産したあたりからどんどん
作品がつまらなくなっている。子供と一緒に大事な創作力も
身体から出してしまったんじゃないか、と思ってしまうぐらい。
子供を出産したこととかもあり、「ひとがばんばん死ぬような話は
もう書けないと思ってしまった」と某インタビューで言ってたけど、
それはつまり〝子どもたちは夜と遊ぶ〟みたいな作品をもう書かないって
いうことだよね? 私あれがあなたの最高傑作だと思ってるんだけど。。。

決して駄作ではないですが、凡作。
数ヶ月かけてようやく読み終えましたが、やはり最後まで
面白いとは思えませんでした。

次回作に期待。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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