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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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まだ、眠くなんて、ない。



鳥に変身した男をめぐる惨劇を描いた文學界新人賞受賞作「いやしい鳥」、
絶滅したはずの恐竜に母親を飲み込まれた女性の内面へ踏み込んだ「溶けない」、
愛とヴァイオレンスが奇妙に同居する「胡蝶蘭」の三作を収録。

***

まずは表題作〝いやしい鳥〟から。
途中で登場する青年の不気味さと生理的嫌悪感を催させる描写は秀逸。
ただ、途中で彼が鳥に変わってくってのもねえ。。。何かこのCM思い出した。



特に「鳥のためなら死ねる」というぐらい鳥大好きの私からみれば
愛鳥の意識がまだ残ってるかもしれない相手を叩きのめすなんて到底無理。
主人公が妻に出ていかれて精神錯乱引き起こして妄想症になってしまった、
そんな感じの話で
「もしかしたらこれは主人公の厳格なんかじゃなく本当のことなのかもな。。。」と
思わせるに足るリアリティはなかった。
ミステリの要素が含まれていて面白いは面白かったけど。

〝溶けない〟。
これまた、主人公カプグラ症候群なんじゃないの?という感じで
いまいち異様な世界観を表現しきれていない気が。
お母さんがいつもと違って見える、というエピソードを少しでも入れたらまた違ったのかも
しれないけど。
あと大家さんの「コモドオオトカゲ」発言は内容を薄っぺらにするだけに思えたので
削ったほうがよかったのでは。
途中までは面白く読めたのに、残念。

〝胡蝶蘭〟。
作中一短い話にも関わらず、一番出来がよかったと思う。
内容の興味深さもさることながら、終わり方も(若干ホラーが大袈裟に挿入されてるけど)
いかにも純文学(いい意味で)!という終わり方。



三作とも構成や世界観がそっくりすぎて読み終えるころには食傷気味になってしまったので
今度著者が本を出すときには、もっと違うテイストの物語を読んでみたい。

ていうかほんと、オカメインコは可愛いよね。大好き。

okame.jpg










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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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