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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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乗ってごらん、きっと楽しいよ。



もしティッシュをフワッと5ミリだけ浮かせる超能力があったら、あなたはどうしますか?
――巨大ネットカフェ「サラマンダー」で女子高生が首を切られ惨殺。目撃者はゼロ!
警察もお手上げの難事件に(なぜか?)立ちあがったのは6人の男と1人の美女。
チャットで知り合った彼らには(何の役に立つのかわからないけど…)超能力という武器があった。
念力でティッシュが5ミリ浮かんだ!
テレビに映っている女子アナのブラのホックがはずれた!
30センチもテレポート!
犬としゃべった!
……で、どうなる?
こんなしょっぼ~い超能力者たちが、事件を解決できるのか!?

6/20映画公開『守護天使』の原作者・上村佑が贈る渾身のサイキックアクションノベル(笑)。

***

ひと言で言えば、つまらない。
そもそもいい歳した大人の読むものじゃない。
デビュー作が面白かった作家のデビュー後第一作がつまらない率が高いのは、
プロになると時間をかけてじっくり書けない、プレッシャーに押し潰される、
そういうのがやっぱりだいたいの理由なんだろうか。
本作があの傑作〝守護天使〟を書いた人とはなー。。。

面白くないを通り越して不愉快。
基本的に人をバカにした描写が多いし(もちろん著者にそんなつもりはないんだろうけど、
同じ〝欠点を持った人間〟を書くにしても道尾秀介氏〝片眼の猿〟は
しっかりとそういう人間たちを対等な目線で、敬意を持って描いているのが伝わってきた。
それに対して本作は、何となく登場人物たちを下に見ている感じがして
ユーモアよりも不快感が強い)。
前作はあんなに楽しいキャラばっかりだったのに、
本作に好きになれるキャラが一人もいないのも悲しかった。

しかも大してページ数ないのにやたらと事件が起こりまくるから視点がちらちらして鬱陶しいし、
どの事件も中途半端。
視点といえば三人称の視点がころっころ変わるから読みづらいことこの上ない。
本作に登場する刑事が最後の最後でご都合主義的にお株あげてるのも気に入らなかった。

特殊能力を持ったチームの活躍譚を書きたいなら、
伊坂幸太郎氏〝陽気なギャングが地球を回す〟でも読んで出直してほしい。

次回作に期待します。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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