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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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二つに裂けた娘の、長い旅が始まる。



帯留めを探して欲しい――。
売れない小説家だった祖父が遺した手紙に従い、仕事を辞めてひきこもっていた私は、
遠野を訪れる。この地の旧家で起こった80年前の不可解な殺人事件。
それは祖父の怪奇小説『サナキの森』に描かれていた「呪いによる殺人」に酷似していた…。
これは偶然の一致か?
祖父は何を知っていたのか?
時空を超えた謎解きが始まる。
平成生まれの25歳が放つ、新感覚ホラーミステリー。第1回新潮ミステリー大賞受賞作。

***

小説としてはよくまとまっていると思う。
伏線回収もしっかりとしているし、本格ミステリにほんのり恋愛要素が
入っているところも読後感をよくしている。
キャラクター造形もうまい。
ただ、作品の向こう側に作者の姿が透けて見えてしまうというか、
著者の「私はこういう人間ですよ」というのが随所に散見されるのが
少々鬱陶しかった。著者のオタクっぽさが垣間見えてしまうというか。
「サナキ」という怪異を物語の中心に据えているシリアスな話なのに、
全体にラノベっぽい文章なのも気になった。
本作がデビュー作で、25歳の新人が書いたということで点が甘かったのかも
知れないけれど、
伊坂幸太郎氏、貴志祐介氏、道尾秀介氏という名だたる選考委員が選んだのが
これかと思うと彼らの読書センスを若干疑わざるを得ない。
肝心のトリックも短編で使われるような小鉢もんの大したことないものだし。
決して駄作とは言いませんが、まあこんなものかという印象でした。
あと何でか知らないけど、現在パートの字体がいつもの新潮社のものと違って
最初ちょっと読みにくかったよ。過去パートに関しては、雰囲気を出すために
敢えてそうしたんだろうけど読みにくい漢字にルビ振ってほしかったよ。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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