田舎町で瀟洒なレストランを経営する絶世の美女・未帆。
彼女の顔はかつて畸形的なまでに醜かった。
周囲からバケモノ扱いされる悲惨な日々。
思い悩んだ末にある事件を起こし、町を追われた未帆は、
整形手術に目覚め、莫大な金額をかけ完璧な美人に変身を遂げる。
そのとき亡霊のように甦ってきたのは、ひとりの男への、
狂おしいまでの情念だった――。
***
タイトル負け。
モンスターと呼ばれるほど主人公がモンスターじみた行動を
していない。
まあこれだけ整形すれば整形モンスターではあるけれど。
中盤は、
整形→風俗の仕事→整形→風俗の仕事
と淡々と進むので中だるみ。
でも、醜いが故にたったひとりの男性に何十年も固執してしまうのは
何となくわかるような気がした。
子供は二歳ぐらいから人間の顔の美醜がわかるというから、
醜かった主人公を守ってくれた幼稚園児のナイトをずっとずっと
忘れられないことは十分に理解出来る。
普通なら自分が美しくなったことで振り向かれても
どこか虚しいだけだと思うけれど、あまりの醜さに辛酸を舐めてきた
主人公にとってみれば美こそが最大の価値観であり、
それを認めてくれた長年の想い人に幻滅することはなかったんだろうな。
もうちょっとドラマチックな展開を期待していたけれど、
まあこれはこれでよかったんじゃないかと。
百田氏の著作はあらすじが面白そうな上に文章が魅力的なので
つい手に取ってしまうけれど、いつも思ったより薄っぺらいのが難点。
でもそこそこ楽しめました。
両思いの絶頂期にある男の言葉は信用してはいけないことも
本作で学んだ。
燃えるようなものじゃなくていいから静かな愛情をずっと注いでくれる
相手と出会いたいものだなと思わせられる一作です。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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