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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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鳥が歌うように。



世界の文化遺産ともいうべき名画に、そっと秘められた犯罪。
傷つき変質した絵を、絵画修復士・御倉瞬介が丁寧に復元していくうちに、哀しい人間の業が
陰画のように浮き彫りにされてくる。
傷つけられた絵にまつわる因縁とは…!? ピカソ、フェルメール、モネ、安井曾太郎、
デューラーなどの肖像画が語りかけてくるものとは…!?
キャンバス地の裏まで見透かすような鑑賞眼と、人間への思慮深い観察が、
確かに思えていた世界を見事に反転させる、本格ミステリー連作短編集。

★収録作品★

 ピカソの空白
 『金蓉』の前の二人
 遺影、『デルフトの眺望』
 モネの赤い睡蓮
 デューラーの瞳
 時を巡る肖像

***

美術ミステリと落語ミステリが最近増えてきたなーと思う今日このごろ。
どちらも自分の携わる世界ではないですが、それでも読んでいて面白いんだよなー、
こういう芸術系のミステリは。

本作の主人公・御倉瞬介が絵画修復士である必然性は正直ないと思うのですが
(というか修復士なら修復士だからこそ解決できる話を一話ぐらい入れてほしかったと
思わないでもないですが)、どれも楽しく読めました。
ちょっと物語の構成に難があって何がどう展開しているのかわからない部分、
加害者の動機が今ひとつ掴めない部分もほんのわずかながらありましたが、
美術を単なる謎解きの道具に使うのではなく、かつての天才画家たちの
絵に対する情熱や執念や葛藤、彼らの人生にまつわるエピソードなんかもふんだんに
盛り込まれていて、読んでいてうならされることしきり。
天才が天才と呼ばれる所以を垣間見た気がした。

おすすめです。



著者、続編にクノップフ出してくれないかなー。
一番好きな画家だし、あの人の絵はミステリの題材にしやすいと思うんだけど。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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