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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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人間がいなくなるしかない。



13時13分からの13秒間、地球は“P‐13現象”に襲われるという。
何が起こるか、論理数学的に予測不可能。
その瞬間――目前に想像を絶する過酷な世界が出現した。
なぜ我々だけがここにいるのか。生き延びるにはどうしたらいいのか。
いまこの世界の数学的矛盾を読み解かなければならない。

***

タイトル負け、テーマ負け。
東野氏は好きな作家さんですが、こればっかりははずしてしまった感が否めない。
駄目な点を以下に箇条書き。

★インフルエンザの描写長すぎ。
100P余りを費やしている。
超常現象が起きてるんだから、もうちょっといい意味で非現実的な危機を描写してほしかった。
今は実際インフルエンザがすごいので臨場感だけはやたらありましたが、
本作においてはわざわざそこまでのページを割いて書くほどのことじゃないと思う。
★誠哉のキャラが微妙。
もっともらしいことをいかにももっともらしく言って周囲を丸め込む彼が
どうしても好きになれなかった。
たまたま見つけた赤ん坊を、「こんな過酷な世界で生きさせるのは忍びない」みたいに
言うくせに、「人類は滅びちゃいけない」って子供作ろうとするし。
その子供たちを過酷な世界に産み落とすことは忍びなくないんだろうか?
ていうか子作りうんぬんなんてもうちょっと落ち着いてから考えろよ。
★フラグ立ち過ぎ。
このキャラはこうなるんだろう、という予測がほぼ的中する。
要するにキャラの人間性がペラい。
特に冬樹と明日香。やったら一緒にいるなと思ったら、案の定ですかという感じ。
弟の兄へのコンプレックスもありがちだし、
狂った世界観の描写が駄目ならせめて人間を深く書いてほしかった。

正直本作を読むんだったら〝ドラゴンヘッド〟〝漂流教室〟のほうがよっぽどおすすめ。
(ところで本作の終盤に、ドラゴンヘッドのラストまんまの台詞が出てくるんだけど。。。
偶然だよなぁ?)

まあ、読み終えたあとにじわじわと何とも言えない寂しさがこみ上げてくる作品ではあるけど。

それにしても、最近小説よりマンガのほうが内容的にレベル高いことが多くて
作家志望としては悲しい。。。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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