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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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ぼくは叫んでいたのだろうか?



詩誌『エウロペ』の編集者で詩人、井崎修一。
類い稀な美貌と傲岸さを併せ持つ少年詩人、月原篤。
篤の作品投稿をきっかけに二人は出逢い、互いに奇妙な愛憎を抱きながらも、
次第に打ち解け合っていく。
やがて篤は「世界の果て」を求めて、単身イタリアへ旅立つ。
遙か異邦の地より、井崎に届けられる篤の私信。
しかし、一年ののち、彼は一通の手紙を最後に消息を絶ってしまうのだった。
若き詩人が異国で見出した「世界の果て」とは、果たして何だったのか。
井崎は篤の残した詩と私信から、彼の生の軌跡を「小説」に刻もうと試みるが――。

***

大好きな作家さんなのですが。。。
今回は〝小説〟というか、その前段階のプロットや資料をまとめて「はい」と渡された印象が
あった。
もともと実験的な小説を書く人ではあるのですが、今回はそれが過ぎて
前衛的に過ぎる、というか。

中盤のあるシーンには、女には想像もつかない男性ならではの性的妄想の極致を見た気がして
それは素直にすごいなと思ったけど、
全体的にはよくある話を難しい言葉を多様して衒学的に飾り立てたようにしか思えなかった。

アサッテの人〟〝りすん〟のほうがずっと心に響いたな。

現実と虚構の壁を取り払おうとする作風が諏訪氏の持ち味だとは思うのですが、
今回は狙いすぎだった気がする。
パゾリーニ監督のエピソードには、本当に現実と虚構の壁が取り払われてる! と驚いて
ちょっと感動もしたけど、これは諏訪氏のオリジナルではないから評価の対象にはならないし。

次はもうちょっとシンプルなものを、
テーマがどんなに複雑でもいいから〝小説として〟シンプルなものを書いてほしいなと
個人的には思う。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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