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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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それって、すごいと思わない?



東京下町の貸しスタジオと共に、複数の賃貸物件を伯母の遺産として相続した武原耕太。
勤め先を辞め、スタジオ経営に専念する彼だが、同じビル内の会社「デプラ」が
夜逃げしたことを知る。
また、それと前後して、「デプラ」の関係者と思われる男たちが、次々と耕太の前に現れ始めた。
伯母の名を言いながら「たすけてくれ」と繰り返す彼らと「デプラ」の正体、そして、
亡き伯母の秘密……。
それらを調べ始めた耕太の下へ、ある日、潤という少年が伯母を訪ねてきた――。
国家とは、愛の在り方とは何かを問う著者渾身の書き下ろし長篇ミステリ。

***

微妙でした。。。
既にもう本編があって、本作はそのサイドストーリーみたいな感じ。
あまりに内容が薄すぎるし、著者がテーマにしたかったことが上滑りして全然こっちまで
届いてこない。
理屈としては理解できても、心にまでは響かない。
読後、「。。。で?」と思ってしまった。

登場人物それぞれの抱える思いも彼ら同士の間の絆も
ほとんど描写がないもんだから物語の中の人たちだけで盛り上がっててついていけないし
ミステリの肝である人探しもアホみたいにポンポン簡単に見つかっちゃうからスリルがないし
主人公が後半まで事件のキーである大事なものをご都合主義に忘れ去ってるし
主人公の、少年・潤に対する心理描写も〝せつない〟〝いじらしい〟ばっかりで
ほかの表現はないのかよと思わせられたし(それに少年に過去の自分を重ねるってベタすぎだし)
タイトルが〝くにもり〟にも関わらずそれに見合ったスケールの大きさがないし
最終章のタイトルは〝青年は荒野を目指す〝のパクリかいって感じだし
もうグダグダでした。
似た物語なら垣根涼介氏〝午前3時のルースター〟のほうが遥かにおすすめ。

ソジンてキャラをもうちょっと掘り下げて書いてくれれば
本作に対する印象もいいほうに違ったと思うのですが。

五條さんは好きな作家さんなだけに残念。



余談ですがヤモリは漢字で守宮。
じゃあクニモリは守国??
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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