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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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そもそも人間が作り上げるものに、完璧などということがあり得るのか。




サラダ工場のパートタイマー、野菜生産者、学校給食の栄養士は
何を見たのか?
会社の不祥事で故郷に逃げ帰ってきた元広告塔・栄実、
どん詰まりの地元農業に反旗を翻した野菜生産者・剛、
玉の輿結婚にやぶれ栄養士の仕事に情熱を傾ける聖子。
真夜中のサラダ工場で、最先端のハイテク農場で、閉塞感漂う給食現場で、
彼らはどう戦っていくのか。
食い詰めて就職した地元のサラダ工場で、栄実は外国人従業員たちが
次々に体調不良に見舞われるのを見る。 やがて彼女自身も……。
その頃、最先端技術を誇るはずの剛のハイテク農場でも、
想定外のトラブルが頻発する。
複雑な生態系下で迷走するハイテクノロジー。
食と環境の崩壊連鎖をあぶりだす、渾身の大型長編サスペンス。

***

深夜の工場のパートタイマーの女性と農家の男性が主人公で
どうサスペンスが展開するのか興味を惹かれ手に取った本作。
サスペンスというよりホラーだった。
さすが〝イビス〟を書いた作家さん、派手ではないけれど
静かでリアルな恐怖が読んでいるうちに込み上げてくる。
不自然極まりない果実の生産方法の描写は、読んでいて冗談抜きで
寒気がした。
特に私は女性なので、「食」の歪さが自分の子供に与える脅威に
かなり恐怖を感じながら読んだ。
「食べる」という生理からは人間はどうしても逃れられないので、
その食べるもの自体に怖い要素があってもどうしたって
避けることは出来ない。よって本作を「あくまでフィクション」と
割り切って読むことも出来ない。
著者の篠田さんはいいところに眼をつけて本作を書いたなと思う。

おすすめです。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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