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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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「カッコいい? あたしが?」
「うん。すごく」




高給優遇、初心者歓迎…求人広告の誘いに乗って、桃子はアルバイトの面接に行く。
ところがその会社、入ってみると社員は変人揃い、しかも事件・事故現場専門の清掃会社だった。
テレビ朝日系ドラマ化原作!

★収録作品★

 おわりの街
 赤い衝撃
 ファンハウス 
 ブラッシュボーイ
 
***

テレ朝で放映中のドラマの原作。
ドラマのほうは観たことないですが、登場人物や設定等はだいぶ異なるみたいですね。
著者の加藤実秋氏はドラマ化を前提として本作を執筆したようですが、
ここまで別物になっていてハラ立たないのかなと余計な心配してみたり。
(ちなみにドラマのほうはどうも海外ドラマの〝トゥルーコーリング〟に似ている。
原作はほんのりPSゲーム〝エコーナイト〟風)

話変わって加藤実秋氏はかなり好きな作家さんです。
舞台が渋谷等の繁華街だったり出てくるキャラがホストだったりで
どうも〝軽い〟イメージを持たれがちな氏の作品ですが、
文章力や構成力、キャラの造形はここ最近の作家の中では抜きん出ている。
男性作家の書く女性は、あくまで〝女〟でしかなく、人間味皆無ということが
私の知る限りでは多いですが、加藤氏の描く女性は人間的魅力に溢れ
それでいて可愛らしく、女の私でもほれそうになる。
本作の主人公の桃子もむちゃくちゃ個性的でかわいいです。友達になりたい。
同性にもそう思わせる女の子を生み出せる加藤氏はすごいと思う。
桃子の同僚の未樹も、フェロモンブリンブリンのギャルだけど決してそれだけじゃない
愛すべきキャラだし。

内容に関しては、非常に面白くよく出来た作品だとは思いますが、
インパクトや物語の深みは氏の前著のほうが上だったかな。
人と人の絆がクサくなく描かれていていい感じだし、スピード感があって読んでいて爽快だった。

 

本作ではそんな人情や疾走感も弱まり、ラストも
どうせ続きを匂わせるような終わり方にするならもうちょっとさわやかにするか
いい意味で緊迫感漂う感じにすればいいのに、
どこかホラー的ですらある後味の悪い(というかちょっと分かりづらい)終わり方だし。
(交差点での〝別れ〟のシーンで締めておけば個人的にはよかったんじゃないかと思う)

でも読んで損はないです。
ミステリに興味のある人は入門書として手にとってみるといいかも。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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