意志は確かに受け取った。
大都市の欲望を呑みつくす東京湾。ゴミ、汚物、夢、憎悪…あらゆる残骸が堆積する埋立地。
この不安定な領域に浮かんでは消える不可思議な出来事。
実は皆が知っているのだ…海が邪悪を胎んでいることを。
★収録作品★
浮遊する水
孤島
穴ぐら
夢の島クルーズ
漂流船
ウォーター・カラー
海に沈む森
***
泣けたり喝采を叫びたくなったり夢にまで出るほどのインパクトを与えてきたりする
物語というのは割とありますが、
人生観までをも変えられてしまう作品に出会える確率というのはそう高くなく、
だから私は本作に出会えたことに心から感謝している。
本作収録の短編〝海に沈む森〟は、確かに私の心の在り方を変えた物語なので。
この本に出会ってだいぶ経つけど、本編の主人公・杉山の生き方は
これまでに読んだどの小説の登場人物のそれよりも未だ私にとって一番の理想であり続けている。
先日久々本書を再読して、改めて力をもらった気がした。
〝海に沈む森〟はうかつにコメントすることすら憚られるほど私にとっては
特別な作品なので、その他の短編のレビュー↓
◆浮遊する水◆
黒木瞳さん主演で映画化もされた作品。
正直物語の質は映画のほうが上です。
原作であるこちらは、今ひとつテーマがはっきりせず、中途半端なホラーといった体。
映画はヒロインの〝母性〟が見事に表現されていて、
ラストのやるせない・切ない感じもよかった。
◆孤島◆
面白い!
とまずは手放しで言いたくなる作品。
いい話でも何でもないのに、ラストは何とも言えない妙な感動がじわじわと
胸中に沸き起こってきます。
この話がツボにハマった人はこれ↓もおすすめ。かなり似たタイプの物語です。
◆穴ぐら◆
これも一話目と同様、テーマも曖昧で、ホラーとしてもどうかな? といった感じ。
主人公の過去&内省に焦点が当てられているところも〝浮遊する水〟とかぶり気味。
◆夢の島クルーズ◆
まさしく王道ホラーです。
どちらかといえばB級気味の。
ラストシーンを具体的に脳裏に描くと確実に鳥肌立ちます。
私としては何よりも、俗物丸出しの牛島夫婦に嫌悪感&恐怖を感じましたが。
◆漂流船◆
昔からホラー小説ばかり読んでいて怖いものに耐性のある私ですが、
この話だけは妙に怖かった。
読み進めるうちに催眠にかかったように意識が朦朧としてくるのは、
もしかしたら本編に登場する呪いの〝眼〟が、
本書を通してこちらに思念を送ってきていたからかもしれない。
◆ウォーター・カラー◆
本作の中では異質な作品。
ホラーというよりミステリーだからかな。
ラストは「あっ、なるほどそういうことか!」と驚き&爽快感を味わえます。
ドロドロした本短編集の、ある意味一抹の清涼剤といったところ。
水が地球上を網の目のように流れどこにでも繋がっているように、
これらの短編も〝水〟というキーワードによって結ばれている。
七つの支流(物語)がたどり着く先に広がっているある一つの光景。
見てみたい人は是非一度、この流れに身を委ねてみてください。
大都市の欲望を呑みつくす東京湾。ゴミ、汚物、夢、憎悪…あらゆる残骸が堆積する埋立地。
この不安定な領域に浮かんでは消える不可思議な出来事。
実は皆が知っているのだ…海が邪悪を胎んでいることを。
★収録作品★
浮遊する水
孤島
穴ぐら
夢の島クルーズ
漂流船
ウォーター・カラー
海に沈む森
***
泣けたり喝采を叫びたくなったり夢にまで出るほどのインパクトを与えてきたりする
物語というのは割とありますが、
人生観までをも変えられてしまう作品に出会える確率というのはそう高くなく、
だから私は本作に出会えたことに心から感謝している。
本作収録の短編〝海に沈む森〟は、確かに私の心の在り方を変えた物語なので。
この本に出会ってだいぶ経つけど、本編の主人公・杉山の生き方は
これまでに読んだどの小説の登場人物のそれよりも未だ私にとって一番の理想であり続けている。
先日久々本書を再読して、改めて力をもらった気がした。
〝海に沈む森〟はうかつにコメントすることすら憚られるほど私にとっては
特別な作品なので、その他の短編のレビュー↓
◆浮遊する水◆
黒木瞳さん主演で映画化もされた作品。
正直物語の質は映画のほうが上です。
原作であるこちらは、今ひとつテーマがはっきりせず、中途半端なホラーといった体。
映画はヒロインの〝母性〟が見事に表現されていて、
ラストのやるせない・切ない感じもよかった。
◆孤島◆
面白い!
とまずは手放しで言いたくなる作品。
いい話でも何でもないのに、ラストは何とも言えない妙な感動がじわじわと
胸中に沸き起こってきます。
この話がツボにハマった人はこれ↓もおすすめ。かなり似たタイプの物語です。
◆穴ぐら◆
これも一話目と同様、テーマも曖昧で、ホラーとしてもどうかな? といった感じ。
主人公の過去&内省に焦点が当てられているところも〝浮遊する水〟とかぶり気味。
◆夢の島クルーズ◆
まさしく王道ホラーです。
どちらかといえばB級気味の。
ラストシーンを具体的に脳裏に描くと確実に鳥肌立ちます。
私としては何よりも、俗物丸出しの牛島夫婦に嫌悪感&恐怖を感じましたが。
◆漂流船◆
昔からホラー小説ばかり読んでいて怖いものに耐性のある私ですが、
この話だけは妙に怖かった。
読み進めるうちに催眠にかかったように意識が朦朧としてくるのは、
もしかしたら本編に登場する呪いの〝眼〟が、
本書を通してこちらに思念を送ってきていたからかもしれない。
◆ウォーター・カラー◆
本作の中では異質な作品。
ホラーというよりミステリーだからかな。
ラストは「あっ、なるほどそういうことか!」と驚き&爽快感を味わえます。
ドロドロした本短編集の、ある意味一抹の清涼剤といったところ。
水が地球上を網の目のように流れどこにでも繋がっているように、
これらの短編も〝水〟というキーワードによって結ばれている。
七つの支流(物語)がたどり着く先に広がっているある一つの光景。
見てみたい人は是非一度、この流れに身を委ねてみてください。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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