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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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「落ちる……落ちる」



2007年度「このミステリーがすごい!」第1位作家の作品集!
交通事故で重傷を負うが、助けてもらえない男。
引きこもりの息子を殺害する決断をする父。
自殺しようとする女を誘惑する若者。
等、コミュニケーション不能の他人に蝕まれてゆく恐怖を描く。

★収録作品★

 他人事
 倅解体
 たったひとくちで…
 おふくろと歯車
 仔猫と天然ガス
 定年忌
 恐怖症召還
 伝書猫
 しょっぱいBBQ
 れざれはおそろしい
 クレイジーハニー
 ダーウィンとべとなむの西瓜
 人間失格
 虎の肉球は消音器

***

〝理解不能な人間の恐怖〟なんて銘打ってはいますが、
〝他人事〟がテーマの話なんて(表題作〝他人事〟も含めて)ほとんどなく、
普通に平山氏の短編集、といった感じ。
氏の著作は結構読んではいるけど、ここまで出すもの出すもの全部
暴力とグロのみで構成されているとさすがに少々食傷気味。著者ワンパターンすぎ。

そもそも、
〝うまく言葉にはできないけれど何か気味悪い、悪意以上のタチの悪さを感じさせる人間〟
というのが本作の便宜上のテーマである以上、それをバイオレンスやグロという手法で
表現するのはちょっとズレてるんじゃないの? というのが率直な感想。
やっぱりそういうのはちょっとした表情やひと言、しぐさ等の描写で表してほしかったな。
(まあ、その点では〝倅解体〟のお母さんがなかなかいい味出してたかな?)

この作家の著書に時おり見られる〝世界観が独特すぎて入り込むのに時間を要する〟も
本著の何点かの話で健在だったし(いや、健在であってほしくないんですが。。。)。
読みやすい話もたくさんありますがどれも凡庸であまり楽しめなかった。
唯一の例外は〝恐怖症召還〟かな。これは平山氏本来の力が惜しみなく発揮されてたと思う。
 


あ、読む際のBGMには是非こちら↓をどうぞ。

それにしてもチュクチュクって。。。
よくよく考えるとすごい表現だな@
                      
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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