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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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すべて、綺麗なイーコールのために。



大学施設で女子大生が連続して殺された。
現場は密室状態で死体には文字状の傷が残されていた。
捜査線上に浮かんだのはロック歌手の結城稔。被害者と面識があった上、
事件と彼の歌詞が似ていたのだ。
N大学工学部助教授・犀川創平とお嬢様学生・西之園萌絵が、
明敏な知性を駆使して事件の構造を解体する。

***

これまでの〝S&Mシリーズ〟の中では一番ストーリーが面白かったと思う。
ただ、トリックがあまりにな。。。こんなの専門知識持ってる人じゃなきゃわかるわけないし。

でも、これまでの本シリーズの犯人が「別にこいつが犯人でも面白くもなんともないし」
みたいな人物ばかりだったのに対して、今回はおおっと唸らされたので、そしてその殺害動機も
残酷ながらも人間の哀しさを感じさせるものだったので、読んでいてかなり楽しかった。
(まあただ、犯人が〝殺人を犯した自分自身は許せるのか〟ってことは最後まで疑問だったけど。
完璧主義の人間はノートに書き間違いをするとそのページを破る、って作中で書かれてたけど、
本当の完璧主義者はノートごとゴミ箱に捨てるから←幼いころの私がそうだった。樹木よ、ごめん)

萌絵と犀川の仲が微妙に深みを増していっているのも読みどころ。
恋愛に積極的すぎる女性って同性の自分から見ても怖いけど(特に私は、
好きな人から全力で逃げ出す超ヘタレ消極人間なので)、萌絵はなんか微笑ましいから
このふたりの今後も暖かく見守りたくなる。

本作に関してひとつだけ難を言うなら、
最初のページに書かれた歌詞があまりにあんまりだってこと。
読もうとした瞬間に本閉じそうになりましたよ、森先生(ごめんなさい)。
ただ、本作のタイトルにもなっている〝Jack the poetical private〟の歌詞はまだよかったけど。
歌をやっている身としては評価が厳しくなることをお許しください。
ついでに言うなら、カレーをカレィと表現するのはかんべんしてください。
どうもサカナのほうが浮かんじゃうので。。。

ところでふと思ったんですが、
本作の登場人物・結城稔のあの趣味は、後の〝Vシリーズ〟誕生の発端でしょうか?
そして西尾維新氏の〝戯言シリーズ〟の〝クビシメロマンチスト〟のラスト一行は、
やはり本作に影響を受けたものなんでしょうか?

このふたつが知りたくてたまらない。



オマケ:
どうしても自力でトリックを解き明かしたい人にヒント画像。

hint.jpg









さらにどうでもいいオマケ:
犯人が遺体に残したメッセージからこの人↓を想起したのはきっと私だけじゃないはず、きっと。。。

izam.jpg









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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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