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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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そこは、なにごとかの境界を越えた、どこか。



仕事中の“俺”は、ある日、大判の関東地域地図帖を小脇に抱えた奇妙な漂浪者に遭遇する。
地図帖にはびっしりと、男の紡ぎだした土地ごとの物語が書き込まれていた。
千葉県北部を旅する天才幼児の物語。
東京二十三区の区章をめぐる蠢動と闘い、
奥多摩で悲しい運命に翻弄される少年少女――。
物語に没入した“俺”は、次第にそこに秘められた謎の真相に迫っていく。
第3回ダ・ヴィンチ文学賞大賞受賞作。

***

第3回ダ・ヴィンチ文学賞大賞受賞。
第15回日本ホラー小説大賞大賞受賞。
第3回ポプラ社小説大賞特別賞受賞。
第15回電撃大賞銀賞受賞。

。。。なんかもう正直やる気失せますね、こういう人に出てこられると。
こういう人は創作の才能はもちろん、各賞ごとの傾向やカラーを読むのがうまいんだろうな。
それもかなり重要な才能だから。

というわけでどんなもんだろうと手にとってみた本作。
結論から言うと、そこらのプロよりずっとうまいです。
たまーに入る若者言葉が(私も一応二十代なのですが)鼻につきますが、それも
地図男の〝語り〟であって地の文ではないからまあ許容範囲。

ダ・ヴィンチ文学賞はミステリの賞じゃありませんが、
多分にミステリ要素を含んでいるのでミステリ好きの人にもおすすめ。
終わり方もさわやかでとても好きです。
本作や〝火薬と愛の星〟みたいな、遠回りな、あまりに遠回りな恋愛話はすごく好き。

ただ。。。著者の真藤氏、おそらく影響受けてるよね?
古川日出男と舞城王太郎に。
特に前者の。
だって古川氏の著作〝ロックンロール七部作〟に文体が激似なんだもん(そして会話のノリは
舞城氏)。

最近の新人さんは、筆力はすごいんだけど新鮮味がないって人が多いので
そこだけはちょっと残念。
彼の別の著作も読んで改めて判断したいところですが。



余談:
東京23区合戦で皆が自分の身体に入れてる刺青だけど、
どれがオリジナルでどれが勝利の結果入れたものだって
どうやって判断するの? それだけが疑問。

paretto.jpg








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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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