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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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君と共に春を待とう。



ずっと妹と二人で生きてきた結城佳帆は、ある日、
図書館の司書、舞原葵依に恋をする。
真っ直ぐな心で、彼への想いを育んでいく佳帆だったが、
葵依には四年前に失踪した最愛の妻がいた。
葵依の痛みを知った佳帆は自らの想いを噛み殺し、彼の幸せだけを願う。
届かなくても、叶わなくても、想うことは出来る。
穏やかな日々の中で彼の再生を願う佳帆だったが、
彼女自身にも抱えきれない哀しい秘密があって…。
喪失と再生を描く『雪』の青春恋愛ミステリー。

***

前にも同じことを書いたのですが、
本大好きな私にも苦手なジャンルというものがいくつかあり、
その中のひとつが〝ラブストーリー〟で、
無理に読んでも「けっ。勝手にやってろ」とか思ってしまうのですが(←性格悪い)、
綾崎氏の恋愛小説だけは何の抵抗もなく読めてしまう。
特に〝花鳥風月〟シリーズ四作目にあたる本作は、
恋愛に見事にミステリ的趣向が凝らされていて、
その仕掛けに気付いた瞬間、深い驚きと共にありえないほどの切なさを感じさせられた。
主人公が恋に落ちた理由に涙が出そうになった。
「ああ彼女の妹はこの出会いを予感してたんだな、最愛の姉を想うあまり、
彼女の未来が見えたんだな」と。

〝ノーブルチルドレン〟シリーズを先に読んでいた私としては
あのシリーズに登場する某人物が故人になってしまっていたことはショックでしたが、
読後「ああとてもいいラブ・ストーリーを読ませてもらったな」と
素直に著者に感謝したくなってしまった、そんな物語だった。

この著者の著作は悲恋とハッピーエンドが絶妙のバランスで織り交ぜられた
とても優しいものが多いので好きです。

おすすめ。
一応シリーズものですが、本作だけ読んでも楽しめます。

ああ、それにしても、こういう物語を読むと無性に恋がしたくなるなあ。
まあもうしてるんだけどさ。

繰り返しになりますが、非常におすすめです。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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